過敏性腸症候群は、次に挙げるような要因により腸神経系の調節がうまくいかなくなり、腸の神経が過敏になることで下痢や便秘などのお腹の不調が起きます。日本では10人に1人が過敏性腸症候群に苦しんでおり、中でも感受性が強くストレスを受けやすい10〜30代の若い世代に多く見られます。
- 過敏性腸症候群の原因①:ストレス
ストレスを受けて神経が緊張すると、腸内では神経伝達物質のセロトニンが過剰に分泌される。それによって腸の動きが盛んになり過ぎたり、けいれんのような動きをしたりして、下痢や便秘を引き起こす。満員電車に乗っている時、大事な会議の前、試験の前など、緊張する場面で下痢や腹痛が特に起こりやすい。
- 過敏性腸症候群の原因②:急性の感染性腸炎(感染後過敏性腸症候群)
細菌やウイルス感染による急性の感染性腸炎をきっかけに、腸が過敏な状態になってしまうことが誘因となる場合も。腸が過敏になっているところにストレスやPM2.5などの環境汚染物質が刺激として加わると、腸炎が慢性化してしまい、過敏性腸症候群の症状が起こる。
- 過敏性腸症候群の原因③:腸内環境の悪化
腸内細菌は悪玉菌より善玉菌のほうが多いのが理想。しかし、抗菌薬(抗生物質)の服用や体調の変化などによって悪玉菌が増え、腸内細菌のバランスが乱れると腸に炎症が起こり、それがきっかけとなって過敏性腸症候群を発症することがある。