片頭痛は、脳の血管が拡張し、脳神経の1つである三叉(さんさ)神経が刺激されることで起こります。
片頭痛は、ストレスやストレスからの解放、気温や気圧の変化、寝不足や寝過ぎ、脱水、空腹、生理、光、騒音、アルコールなどがきっかけになりやすく、遺伝的要素も認められます。
【片頭痛になりやすい人】
片頭痛は女性ホルモンと関連があるため、圧倒的に女性が多い。
【片頭痛の痛み方】
緊張型頭痛は、首や肩周りの筋肉の緊張によって血流が悪くなり、血管内に痛み物質が発生して神経を刺激することで起こります。デスクワークや運転などで長時間同じ姿勢を続けた後に起こりやすく、目の酷使や精神的な緊張、冷え、気温差なども原因となります。
【緊張型頭痛になりやすい人】
慢性頭痛の中で最も多く、男女共に幅広い年齢層で見られる。
【緊張型頭痛の痛み方】
群発頭痛は、目のすぐ後ろを走る内頸(ないけい)動脈の炎症によって起こります。詳しい原因は明らかになっていませんが、体内時計が何らかの原因で乱れ、それが内頸動脈周囲の三叉神経に伝えられて痛みが生じると考えられています。頭痛は季節の変わり目など、1年に1~2回の周期で発生し、発作のある時期にはアルコールや喫煙、気圧の変化などが頭痛を誘発することがあります。
【群発頭痛になりやすい人】
20~30代の働き盛りの男性に多く見られる。
【群発頭痛の痛み方】
上記のような慢性頭痛の痛みを放置したり、鎮痛剤で抑えたりするだけで、その水面下にある脳の興奮状態を放置していると、脳が過敏になって、ちょっとした刺激でも頭痛が起きやすくなると共に、脳の働きに混乱が生じ、耳鳴りやめまい、抑うつ感など様々な不快症状も起きやすくなります。こうした脳の異常な興奮による様々な不快症状の総称は「脳過敏症候群」という新病態として認知されつつあります。専門の病院で脳波の検査を受け、治療を行う必要があります。
1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。