むくみの原因

「細胞間液」が過剰にたまることでむくみは起こる

むくみは、細胞と細胞の間にある「細胞間液」という水分が過剰になることで起こります。細胞間液は、心臓から送り出された血液が通る動脈から酸素や栄養分を含む水分を細胞に届けると共に、老廃物を含んだ水分を心臓に戻す静脈、あるいはリンパ管へ回収する役割を担っています。

ところが、何らかの原因で静脈やリンパ管の流れが悪くなり、水分の回収がうまくいかなくなると、細胞間液が過剰にたまり、皮膚が膨張を起こしてしまいます。この状態をむくみといいます。

むくみのメカニズム

脚のむくみは筋力の低下が原因

動脈は心臓を起点に全身に向かって流れていますが、静脈は重力に逆らって下から上へ流れていかなければなりません。立った状態だと脚は心臓よりも下になるため、血液は心臓に戻りにくくなっています。これを押し上げているのが、ふくらはぎの筋肉。血流が滞りがちな脚の静脈を圧迫して、ポンプのように血液を押し流す働きをしています。

加齢や運動不足などの影響で、脚の筋力が弱くなってしまうと、筋肉の収縮力も低下。そのため、血管を圧迫しながら血液を上方に押し上げる「筋ポンプ作用」の働きが悪くなり、血液が心臓に戻りにくくなってしまいます。血液が心臓に戻りにくくなると静脈に血液がたまりやすくなり、増えた血液でいっぱいになった静脈内は圧力が上昇。静脈に回収されるはずの水分が押し返されて血管外にたまったままなので、むくみを引き起こしてしまいます。

むくみの原因

脚のむくみが起こる病気「下肢静脈瘤」

脚のむくみが起こる病気として、脚の表面の血管が膨れてこぶのようになる「下肢静脈瘤」と、脚が腫れて痛みや熱感を伴う「深部静脈血栓症」があります。これらは加齢などによる静脈の血管力の低下により起こります。重篤な病気ではありませんが、脚のむくみやうっ血を招きQOLを低下させます。また、深部静脈血栓症は、放置していると「エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)」を招く危険性も。いずれも、症状を予防・改善するには、ふくらはぎの筋肉を動かす運動をするのがおすすめです。

下肢静脈瘤

むくみは心臓や腎臓の病気が原因の場合も

「心不全」などの心臓のポンプ機能が低下する病気があると、血液が心臓に戻りにくくなり、むくみが現れる場合も。その他、体内の水分調整を行っている腎機能の低下もむくみに関係します。余分な水分や塩分を排泄できなくなる「腎不全」、尿に大量のタンパク質が漏れて血中のタンパク質濃度が低下する「ネフローゼ症候群」では、血管から多量の水分があふれ、むくみが起こります。


女性がむくみやすいのは、ホルモンの影響もある

女性は男性に比べてむくみやすい傾向にあります。男性に比べて筋肉量が少ないことや、血液を押し出す力が弱い低血圧が多いことも一因ですが、女性ホルモンの影響も大いに受けています。女性ホルモンのプロゲステロンは、体内に水分をため込もうとする作用があるため、プロゲステロンの分泌が多くなる月経前は特にむくみやすくなります。また、女性ホルモンのエストロゲンが減少する更年期も、血流が悪くなりやすく、むくみやすい時期といえます。



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監修プロフィール
芝大門 いまづクリニック院長 いまづ・よしひろ 今津嘉宏先生

1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。

監修プロフィール
芝大門 いまづクリニック院長 いまづ・よしひろ 今津嘉宏先生

1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。

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