イコサペント酸エチル (いこさぺんとさんえちる)Ethyl icosapentate

イコサペント酸エチル

作用と特徴

魚油中のエイコサペンタエン酸(EPA)からつくられた成分で、肝臓における過剰な中性脂肪合成を抑え、血中の余分な中性脂肪の代謝を速めて、中性脂肪の高値を改善する作用があります。健康診断等で中性脂肪値が正常値よりもやや高め(150㎎/dl以上300㎎/dl未満)と指摘された人の中性脂肪値の改善に用いられます。
その他に、動脈の弾力性を保つ作用や、血液を固まりにくくして血流を改善する作用があります。

注意事項

次の人は使用しないでください:狭心症、心筋梗塞、脳卒中の既往歴のある人、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高血圧で治療中の人や医師の治療をすすめられた人、出血している人、出血しやすい人、手術を予定している人、20歳未満の人、妊娠または授乳中の人、ワルファリン等の抗凝血薬、アスピリンを含有するかぜ薬・解熱鎮痛薬・抗血小板薬、インドメタシンを含有する消炎鎮痛薬、チクロピジン塩酸塩やシロスタゾール等の抗血小板薬を使用中の人、親、兄弟姉妹に原発性高脂血症と診断された人がいる人。
空腹時に服用すると成分の吸収が悪くなるため、食後すぐに服用してください。中性脂肪値改善のためには4週間以上の継続的な服用が必要です(服用期間の目安は3~6カ月)。また、生活習慣の改善(食事・運動・禁煙)を併せて行うことが大切です。
医療機関等における血液検査の結果として、中性脂肪値の改善がみられない場合は服用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
主な副作用として、発疹、かゆみ、出血しやすくなる(皮下出血、血尿、歯肉出血、眼底出血、鼻出血、消化管出血など)、貧血、吐き気、腹部不快感、下痢、腹痛、胸やけ、肝機能障害、咳、呼吸困難などが報告されています。このような症状に気づいた場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

健康食品のEPAとの違い

EPA(エイコサペンタエン酸)はイワシやサンマなどの青魚に多く含まれている不飽和脂肪酸で、同じく青魚に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)や、α-リノレン酸と共に「オメガ3系脂肪酸」に分類されます。脳の発達や機能に関与したり、血液をさらさらにしたりする作用を持つことから、サプリメントなどの健康食品の成分として人気です。
健康食品としてのEPAと医薬品のイコサペント酸エチルとの大きな違いは、その純度にあります。魚から抽出・粗精製して得られる魚油のEPA濃度は20%前後。医薬品化するには、これを90%以上に濃縮し、純度を高めなければなりません。日本の水産会社がこの高純度化に成功し、医薬品としての開発が始まったのが、1980年のこと。その後研究が重ねられ、1990年に「閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善」を適応として発売されました。「中性脂肪値の改善」が適応に加わったのは、1994年のことです。


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※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。

製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。

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