大黄甘草湯 (だいおうかんぞうとう)Daio-kanzo-to

作用と特徴

大黄甘草湯は便秘に用いられる代表的な漢方薬で、生薬のダイオウ(大黄)とカンゾウ(甘草)の2つを組み合わせたものです。便秘薬などの医薬品には、生薬から抽出・乾燥した「大黄甘草湯エキス」の形で配合されるのが一般的です。
ダイオウは、その主成分であるセンノシドの働きによって、大腸を刺激してぜん動運動を高め、排便を促します。カンゾウには緊張を緩和させる作用があり、便秘に伴う腹痛や排便時の痛みを和らげます。

注意事項

母乳への移行性があるため、授乳中の人は使用できません。薬などでアレルギー症状を起こしたことがある人、持病のある人、妊娠中の人、他に薬(漢方薬を含む)を服用している人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
長期の連用は避けてください。使用により発疹、発赤、かゆみ、激しい下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などが起こった場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

緩下(かんげ)成分「センノシド」

ダイオウの主成分であるセンノシド(sennoside)の名は、同じく生薬のセンナからきています。センナはマメ科の植物をもとに、古くから欧米や中東諸国を中心に緩下薬(便秘薬)として使われてきました。
スイスの製薬会社がセンナ葉から有効成分のセンノシドの抽出に成功したのは1941年のことで、日本では1961年に便秘に対する緩下剤として発売されました。センノシドは胃や小腸では吸収されず、大腸で腸内細菌によって分解されてレインアントロンという成分に変わります。 この物質が大腸の粘膜を刺激し、ぜん動運動を活性化させて排便を促します。そのためセンノシドは、腸の運動が低下して起こる「大腸通過遅延型便秘」の改善に特に効果を発揮します。
逆に、腸の過緊張によって起こる「便秘型過敏性腸症候群(便秘型IBS)」の人は、かえって症状を悪化させる恐れがあります。
また、センノシドの効き方は腸内細菌の影響を受けるため、抗生物質など腸内細菌を減少させるような薬とセンノシドを配合した便秘薬とののみ合わせには注意が必要です。

センナ

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※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。

製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。

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