タンニン酸ベルベリン (たんにんさんべるべりん)Berberine tannate

タンニン酸ベルベリン

作用と特徴

止瀉(ししゃ)薬(下痢止め)に含まれる腸内殺菌成分です。腸内でベルべリンとタンニン酸に分解され、ベルベリンは有害細菌(赤痢菌、チフス菌、ブドウ球菌、病原性大腸菌など)に対して殺菌作用を示します。また、蠕動(ぜんどう)運動抑制作用(腸の動きを緩やかにする作用)があります。タンニン酸は収れん作用(組織を引き締める作用)によって腸の粘膜の炎症をとり、腸内の腐敗や異常発酵を抑えて下痢を改善します。
胃腸などの粘膜への刺激が少ないため小児の下痢にも使用されています。

注意事項

病原性大腸菌の中でも、O157のような「腸管出血性大腸菌」が出す毒素によって引き起こされる出血性大腸炎や食中毒などによる細菌性の下痢に対しては、下痢を止めると毒素が腸管内に長く留まってしまい、症状の悪化や治療期間の延長を招く恐れがあるため使用できません。激しい下痢の場合は脱水症状に注意し、速やかに医療機関を受診してください。

副作用はほとんど見られませんが、むかつき、便秘などが続く場合は、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

ベルベリンとキハダ

ベルベリンは植物由来の成分で、キンポウゲ科のオウレンや、ミカン科のキハダから抽出されたものです。いずれも生薬としても用いられ、オウレンの根茎を乾燥させたオウレン(黄連)と、キハダの樹皮を乾燥させたオウバク(黄柏)は、健胃整腸薬の「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「加味解毒湯(かみげどくとう)」などに配合されています。
オウバクは消炎作用も持つことから、打ち身やねんざなどに使うパップ剤に使用されることもあります。キハダは日本人にとっては馴染みの深い植物で、長らく民間薬として使用されてきた歴史を持ちます。健胃整腸薬として知られる奈良の「陀羅尼助(だらにすけ)」も、キハダの樹皮から製造したオウバクエキスが主原料です。また、キハダの内樹皮は鮮やかな黄色で、草木染の材料として古くから利用されてきました。その高い防虫効果により、経文や「正倉院紙」の黄紙や黄染紙はキハダで染められていたそうです。

キハダ

キハダ

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※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。

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