膝は重い体を支えているうえ、立つ、座る、歩くといった日常の動作で負担がかかるため、障害の起こりやすい部位です。
膝に痛みが起こる病気の中でとくに多いのは「変形性膝関節症」で、中高年の膝の痛みの原因の圧倒的多数を占めています。ただし、「まだ若いから、膝の痛みなんて関係ない」と思っている人も油断は禁物。膝に負担をかける生活を続けていると、将来、膝の痛みに悩まされる危険が高くなります。さあ、あなたの症状やライフスタイルをチェックして、膝の健康維持に役立てましょう。
1947年生まれ。東京大学医学部卒業 1997年より聖路加国際病院整形外科部長となる。2012年より林外科病院整形外科部長。専門は関節外科、スポーツ医学、ひざ関節と関節鏡による手術など。
中年期以降に増えてくる変形性膝関節症は、膝にくり返し負担をかけたために、膝関節の軟骨がすり減ってくる病気です。初期には膝を動かしたときに軽く痛む程度ですが、進行すると膝の腫れや変形が見られるようになり、痛みのために歩行が困難になるなど、日常生活にも支障をきたすようになります。病気の進行を抑え、膝の機能を維持するためには、早期に運動療法を中心とした適切な治療を行うことが非常に大切です。
膝の痛みの原因には、このほかにも慢性リウマチや痛風などの病気や、半月板や靭帯の損傷などがあります。また、腰や股関節の不調が原因で、膝に痛みが現われているケースもみられます。膝に不調を感じたら早めに整形外科を受診し、こうした疾患との鑑別を行ったうえで、医師から正しい指導を受けるようにしてください。
膝の健康は、活動的で生き生きとした毎日を送るために欠かせない要素です。負担をかけずに適度に使うことを心がけ、自分の膝と長く上手につき合っていきましょう。
日々の生活を振り返り、当てはまる答えをチェックしてください。
あなたの膝の痛み危険度をチェックします。