近年、10~20代の若い世代を中心に性感染症が増加しています。新しく増えてきた性感染症の中には症状がはっきり現われないものが多く、本人が気づかないまま感染を広げているケースが少なくありません。「性感染症は一部の人だけがかかる特別な病気」といった認識は、もはや時代遅れ。1度でも性行為の経験があれば、だれもがかかる可能性のある病気なのです。さあ、あなたは性感染症の危険はないでしょうか? さっそくチェックして、予防と正しい対処に役立ててください。
産婦人科医。筑波大学医学専門学群卒業。国立国際医療センター、東京都職員共済組合青山病院、NTT東日本関東病院、ふれあい横浜ホスピタル、神奈川県立汐見台病院産婦人科産科副科長、医療法人倖生会身原病院を経て、現在 神奈川県立足柄上病院産婦人科非常勤医師。2018年より公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員。『パワポ月経授業』(少年写真新聞社)、『13歳からの「恋とからだ」ノート』(新講社)、『保健体育のおさらい』(自由国民社)など著書多数。
性行為によって感染する病気を総称して、性感染症(STD=sexually transmitted disease)といます。最近では、淋病、クラミジア感染症、性器ヘルペス、尖型コンジローム、HIV感染症(エイズ)などはもちろん、古くて新しい梅毒の感染が若い女性を中心に急増しています。これらの多くは感染しても症状が現われにくいのが特徴です。そのため気づかずに放置しているうちにパートナーにうつしてしまったり、感染が広がって重症化したり、不妊症や流産の原因になるなど、深刻な事態を招いています。
性感染症を予防するためには、まずお互いが検査を受けることです。そして、なるべくパートナーを固定することと、性交のたびに必ずコンドームを使用することです。とくに過去を含めてパートナーが多い人ほど感染リスクが高いのに、コンドーム使用率が低い傾向があります。とにかく1回でも多く、コンドームを使用することを心がけましょう。また、気になる症状がある場合は、女性は婦人科を、男性は泌尿器科を受診して、早めに検査を受けるようにしてください。性感染症とわかった場合は、パートナーも必ず一緒に治療を受けることが大切です。
※梅毒、ヘルペス、コンジローマなどは男性用コンドームでは防ぎ切れません。まず検査、パートナーが変わったらまた検査、がコンドーム使用の前に必須です。
日々の生活を振り返り、当てはまる答えをチェックしてください。
あなたの性感染症危険度をチェックします。