乳房は美容的な面から気にかけるだけでなく、健康にも注意を払って大切にしていきたいものです。乳房のトラブルは、病気ではなく生理的な変化であることも多いので心配し過ぎることはありませんが、乳がんなどの病気を見逃さないためにも、定期的に乳房をよく見たり触れたりしてチェックすることはとても大切です。乳房のトラブルで多いのは、腫れ、しこり、痛み、乳頭からの分泌物など。そして、何かおかしいなと思ったら、不安がらずに早めに病院を受診して原因を確かめましょう。さあ、あなたは、乳房に気になる症状はありませんか?
1994年佐賀医科大学医学部卒業。国立病院機構九州がんセンター乳腺科等を経て現職。乳がんの根治を目指した治療に加え、その後の社会復帰や結婚、子育てなど患者さんの個々の人生目標にむけて、再発しにくい体づくりやメンタルケアにも取り組んでいる。日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本外科学会指導医、日本乳癌学会乳腺指導医、検診マンモグラフィ読影認定医師。認定NPO法人ハッピーマンマ理事、認定NPO法人乳房健康研究会理事、NPO法人女性医療ネットワークマンマチアー委員会、日本乳癌学会評議員、日本サポーティブケア学会妊孕性部会長を務める。
多くの女性が心配する乳がんは、日本人に増えている病気の1つです。その背景には、食生活の欧米化や出産の高年齢化、ストレスの増加などがあると考えられています。
乳がんでは自覚症状としてしこりが現われるケースが多いのですが、乳房にしこりができる病気は、乳腺線維腺腫、乳腺症、乳腺炎など、他にもたくさんあります。また、乳がんも初期に適切な治療を行えば治癒率の高い病気です。このようなことから、いたずらに不安に思わないことが大切ですが、小さな異変に早く気づくためにも、定期的に乳房を観察したり、しこりがないかどうか触れてチェックしたりすることは忘れないようにしましょう。
そして、乳房の異変に気づいたら、ためらわずに検査を受けるようにしてください。乳房の検査や治療は、基本的には外科または乳腺外科で行っていますが、婦人科でも対応してもらえる場合があります。妊娠中や授乳期のトラブルに関しては、かかりつけの産婦人科医に相談するとよいでしょう。
乳房は、自分で病変を発見しやすい部位です。40歳を過ぎたら2年に1度は乳がん検診でマンモグラフィーを受けるとともに、日ごろの状態をよく把握して、微妙な変化を見逃さないようにしましょう。
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