起立性調節障害についてご存知でしょうか?子どもが朝起きられず学校に行けない、無理に起こすと具合が悪くなってしまう。そんな悩みを抱える保護者がいらっしゃいます。お子さんにそのような症状が現れたら、起立性調節障害かもしれません。「学校に行きたいのに行けない」「勉強が遅れてしまう」などといったつらさや不安を抱える子どもに寄り添い、適切にケアするために、まずは起立性調節障害が疑われる症状がないかチェックしてみましょう。
大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業。医学博士。スウェーデンのリンショッピン大学臨床生理学教室客員研究員、大阪医科大学小児科助教授、大阪医科大学附属病院発達小児科科長、准教授を経て、2014年にOD低血圧クリニック田中を開院。『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』『起立性調節障害がよくわかる本』など起立性調節障害に関する著書多数。
起立性調節障害とは、自律神経の乱れによって脳や全身への血流が低下し、倦怠感や起床困難、頭痛、めまい、立ちくらみ、腹痛などといった症状が現れる病気です。小学校高学年から中学生に当たる10~16歳の思春期の子どもに多く見られ、その症状は午前中に強く午後になると和らぐことから、周囲から「怠けている」などと思われてしまうこともあります。子どもたちに起立性調節障害が起こる原因としては、体の機能が変化する第二次性徴期は自律神経の調整が難しくなること、水分の摂取不足、日常生活での活動量低下、遺伝などが考えられます。また、思春期ならではの悩みや、学校・家庭でのストレスが症状を悪化させる場合もあります。保護者の方は、起立性調節障害は身体疾患だということを理解し、𠮟責したり、無理やり学校に行かせたりするのはやめましょう。
お子さんの日々の生活を振り返り、当てはまる答えをチェックしてください。
起立性調節障害の注意度をチェックします。
(出典:日本小児心身医学会「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」)