痔は日本人の3人に1人が悩んでいるといわれるほど、ポピュラーな病気。受診をためらってつい放置しがちですが、大腸がんが隠れていたり、病気が進行して治療が大変になったりするケースもあるため、一度は専門医のいる大腸肛門科を受診することをおすすめします。予防と改善のために、まずは痔について正しい知識を身につけましょう。
1994年九州大学医学部卒業後、同大学第二外科入局。同大学大腸肛門外科研究室、東葛辻仲病院勤務、アルト新橋クリニック院長を経て、11年より現職。日本大腸肛門病学会専門医・指導医。専門は直腸肛門疾患、骨盤底疾患。これまでに約5000件の直腸肛門外科手術・骨盤底外科手術を執刀。著書に『よくわかる肛門外科手術マニュアル』(中外医学社)など。WEBサイト『よくわかる大腸肛門科』(http://daichoukoumon.com/)
痔とは肛門の病気の総称で、代表的なものに、痔核(いぼ痔・脱肛)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)があります。お尻は心臓より低い位置にあるため、元々うっ血しやすいのですが、それに加えてお尻に負担をかける生活習慣があると、痔を招きやすくなります。痔の代表的な症状は、肛門周辺の腫れや痛み、出血などです。ただし、血便や排便時の出血は、大腸がんなど他の病気のサインのケースもあるので、痔と思い込まずに必ず1度は受診して、原因を確かめるようにしてください。痔核と裂肛の場合、市販薬での対処も可能ですが、1週間くらい使い続けても症状の改善が見られない時は、病院を受診しましょう。薬で治療する場合も、生活習慣の改善を併せて行うことが大切です。このチェックを参考にして、痔の発症や症状の悪化を招く要因がないかどうか見直してみましょう。
日々の生活を振り返り、当てはまる答えをチェックしてください。
あなたが痔についてどのくらい知っているかをチェックします。