胃や腸など消化管の痛みやけいれんを抑える鎮痛鎮痙成分で、主に胃腸薬に配合されています。
消化管の平滑筋は自律神経によって支配され、神経伝達物質のアセチルコリンの作用によって運動が活発になります。ブチルスコポラミン臭化物は、このアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)により、消化管の緊張を緩めて胃痛や腹痛、さしこみ(腸疝痛)等の症状を緩和します。
使用により目のかすみや眠気が起こることがあるので、服用後の車の運転や危険を伴う機械の作業などは避けてください。緑内障やイレウス(腸閉塞)、前立腺肥大の人は使用できない場合があります。
副作用として、口の渇き、便秘、排尿困難、吐き気、頭痛、めまいなどが報告されています。こうした症状に気づいたら、医師や薬剤師に相談してください。
自律神経は自分の意思に関係なく、呼吸、心拍、血流、消化などの機能をコントロールしている神経です。自律神経には体を緊張モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」があり、この2つがシーソーのようにバランスをとりながら働いています。
特に胃や腸など消化管の動きは自律神経と密接にかかわっており、バランスが崩れると胃腸の不調につながります。例えばストレスがかかると、自律神経のうち交感神経が強く働きます。これによって胃の血管が収縮して血液量が減り、胃の運動と胃酸・胃粘液の分泌が低下します。ところが交感神経が強く働く時には、体の働きのバランスを保つために副交感神経の働きも強まります。
副交感神経が優位になり過ぎると、胃酸の分泌が過剰になって胃粘膜を荒らしたり、ぜん動運動が活発になり過ぎたりして、胃痛や胸やけなどが起こるようになります。
胃痛を感じる人は、ストレスや暴飲暴食、過労、運動不足など自律神経のバランスを崩す原因がないか、生活を見直してみましょう。