止瀉(ししゃ)薬(下痢止め)や整腸薬に配合されている成分です。腸粘膜の表面でタンパク質と結合して被膜をつくり、炎症を起こして水分を吸収できないでいる腸粘膜をやさしくいたわる収れん作用(腸粘膜を引き締める作用)を示します。
下痢や軟便の改善に広く用いられ、ストレスによって起こる過敏性腸症候群(IBS)の下痢の治療にもよく使用されています。
牛乳タンパク質のカゼインを含むため、牛乳アレルギーの人は使用しないでください。O-157や赤痢菌などによる重い出血性大腸炎には使用せず、速やかに医療機関を受診してください。薬などでアレルギー症状を起こしたことのある人、持病のある人、他に薬を服用している人は使用前に医師または薬剤師に相談してください。
主な副作用として、食欲不振、便秘などが報告されています。症状が続く場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
最近はインターネットなどで誤解されやすい医療情報が氾濫しています。その1つが、「下痢を薬で止めてはいけない」というものです。確かに、細菌やウイルス感染による下痢や食中毒のように、腸の中にある毒素や異物を早く排泄するため、安易に腸の運動を止めるべきではないケースもあります。しかし、そうでない場合は、下痢によって体力を消耗し、脱水などのより危険な状態を招きかねないので、薬も適切に使い、しっかり対処しなければなりません。
判断の目安として、「経験したことがないような激しい下痢」、「便に血が混ざっている」、「発熱や吐き気、嘔吐を伴う」、「排便後も腹痛が続く」、「同じものを食べた人も下痢になった」、「症状が改善しない、または悪化している」、「脱水症状(尿が少ない・出ない、口が異常に渇く、意識がもうろうとしているなど)がある」といった場合は、薬で対処しようとせず、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。