脳の体温中枢や中枢神経に作用して熱を下げたり、痛みを緩和したりする成分で、主に解熱鎮痛薬や総合感冒薬(かぜ薬)に配合されています。胃腸障害やぜんそく発作などの副作用が少なく、作用が穏やかで比較的安全性が高いのが特徴で、高齢者や小児にも使用されます。また、妊娠中や授乳中に解熱鎮痛薬が必要な場合にも、アセトアミノフェン単一成分(単剤)のものが用いられることもあります。
この成分の含まれた薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人、消化性潰瘍、重篤な血液異常、肝障害、腎障害、心機能不全、またはその既往歴のある人は使用しないでください。
他の解熱鎮痛薬やかぜ薬との併用、使用前後の飲酒、長期の連用は避けてください。病気治療中の人、持病のある人、他に薬を使用している人、妊婦または妊娠していると思われる人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
重篤な副作用として、大量使用による肝障害が報告されています。また、発疹、発赤、かゆみ、吐き気、嘔吐、食欲不振、めまいなどが現れた場合は副作用の可能性があるので、すぐに使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
お酒(アルコール)は体内での薬の吸収や代謝の速度を変えてしまったり、中枢神経の働きを抑えたりします。そのため一緒に摂ると薬の作用が増強され、肝機能障害を起こしたり、意識がなくなったり、血圧が下がり過ぎたりするなど危険な副作用を起こす可能性があります。特にかぜ薬や解熱鎮痛薬、降圧薬、利尿薬、精神安定薬、睡眠導入薬などは、アルコールとの併用に注意が必要です。体からアルコールの影響がなくなってから服用するようにしましょう。
個人差がありますが、ビール中びん1本(500ml)分のアルコールを肝臓が分解するのにかかる時間は、男性では約2時間、女性では3時間くらいといわれています。もちろん、お酒で薬をのむのは厳禁!必ずたっぷりの水かぬるま湯でのむようにしてください。