性感染症のリスクがやや高めのようです。現在だけでなく過去も振り返って「不特定多数の人とつき合った」「コンドームを使わずにセックスをした」など、性行為に不安要素がある人は、自覚症状の有無にかかわらず、性感染症の検査を受けておく方がよいでしょう。また、少しでも気になる症状がある人は、軽い症状でも放置せずに病院を受診しましょう。
性感染症は、女性はとくに症状が現われにくいので注意が必要です。現在最も流行しているクラミジア感染症の場合、女性の約8割は無症状で、症状が現われたとしても、おりものが増える、下腹部が軽く痛むといった程度です。早期発見、早期治療のためにはこうした症状を見逃さないことも大切ですが、より確実には、病院での検査がすすめられます。性感染症の病原菌は膣の粘液、精液、血液などに多く存在し、それらに触れた手でもう一方の性器に触れて感染したり、オーラルセックスで性器から口へと感染することもあるので注意しましょう。また、コンドームは射精直前ではなく最初の段階から装着しないと使う意味がないので、この点も心してください。避妊のためにピルなどを使用している人も、性感染症の予防のために必ずコンドームを併用するようにしましょう。
産婦人科医。筑波大学医学専門学群卒業。国立国際医療センター、東京都職員共済組合青山病院、NTT東日本関東病院、ふれあい横浜ホスピタル、神奈川県立汐見台病院産婦人科産科副科長、医療法人倖生会身原病院を経て、現在 神奈川県立足柄上病院産婦人科非常勤医師。2018年より公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員。『パワポ月経授業』(少年写真新聞社)、『13歳からの「恋とからだ」ノート』(新講社)、『保健体育のおさらい』(自由国民社)など著書多数。