まず大切なのは、10〜40代で月経不順や無月経の状態を放置せず、低用量ピルの服用などでしっかりと治療をしておくことです。女性ホルモンの低下を改善することが、骨粗鬆症の予防につながります。
丈夫な骨づくりのカギとなるのが、骨の主要な構成成分である「カルシウム」、骨の土台となる「タンパク質」、そしてカルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」の3つです。
この他、骨の健康をサポートする栄養素として、ビタミンK、マグネシウム、亜鉛、カリウム、葉酸、ビタミンB₆、B₁₂なども必要です。特に日本人は現在全てのミネラル不足が深刻です。マルチミネラルサプリの摂取などで補うことがすすめられます。
骨を強くする栄養素②:タンパク質
肉、魚、乳製品、大豆製品などからバランスよく摂取。
骨を強くする栄養素③:ビタミンD
サケやウナギなどの魚やきのこ類に多く含まれる。きのこは天日干しにすると含有量がアップ。
骨を強くするために、骨に適度な負荷をかける有酸素運動や筋肉トレーニングを毎日30分程度行いましょう。有酸素運動は、血液の循環をよくし骨代謝を活発にします。また、手のひらと同じくらいの面積の皮膚を15分間日光に当てるだけで、1日分のビタミンDがつくられるといわれています。日中、買い物に出かける程度の日光浴でも、骨の健康維持につながるのです。
骨量が増えていくのは、10〜20代までです。中でも女性は9〜12歳、男性は12〜15歳の頃に、骨量が最も増加するといわれています。骨の成長期であるこの頃までに、積極的な運動と十分なカルシウム摂取を行い、PBM(最大骨量)を上げておくことが大切です。
若い女性の「やせ」が増えていますが、タンパク質やカルシウム、鉄、葉酸不足も顕著です。骨に必要な栄養素を摂る習慣もしっかり身につけておきましょう。
産婦人科医・医学博士。1984年弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、東京都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年に「ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック」を開院。女性のための総合医療を実現するためにNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立(現理事長)。様々な情報提供、啓発活動、政策提言などを行っている。