関節に気になる症状があるようですね。一時的なものならあまり心配ありませんが、いつまでも続く場合や、たびたびくり返す場合は、一度医師を受診して原因をきちんと確かめておくと安心です。関節の周辺に痛みや腫れが起こる病気は関節リウマチ以外にもたくさんあるので、そうした病気との鑑別も必要になります。
関節リウマチとまぎらわしい病気の1つに、変形性関節症があります。これは関節の軟骨が磨り減って起こるもので、高齢の人によくみられます。関節リウマチは免疫の働きの異常によって起こる膠原病に分類され、同じ膠原病の仲間である全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などでも関節リウマチと似たような症状が現れることがあります。いずれも30代以降の女性に多い病気なので、当てはまる人は注意が必要です。
関節リウマチは手足の小さな関節の腫れや痛みから始まりますが、とくに指先から2番目の関節や指の付け根の関節に症状が現われやすいのが特徴です。また、朝起きたときの手のこわばりも初期の重要なサインの1つといえます。こうした症状がある人は、「リウマチ外来」を掲げた病院を受診するか、かかりつけ医に関節リウマチの専門医を紹介してもらい、くわしい検査を受けるようにしましょう。
1969年慶応義塾大学医学部卒業。同大学附属病院内科助手、防衛医科大学校第1内科講師、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター、同大学附属青山病院助教授などを経て、’96年より同教授。専門はリウマチ、膠原病の臨床とその免疫学的検討。