ストレスを感じると緊張、不安、あせり、憂うつ、イライラなどの症状が出ませんか? そんなあなたは、環境の変化に対して敏感に反応する性格かもしれません。神経質な人、内向的な人は社会や環境への適応力が未熟なため、ストレスに負けやすいタイプといえます。逆にまじめで頑張り屋の人は自分を抑えてでも人に合わせたり、問題も全部自分で背負い込むため、無理をする過剰適応タイプです。マイナス思考の人もいつも自分を責めたり周囲を敵視するため、心が休まる暇がありません。同じ環境下でもストレスを感じる人と感じない人がおり、これは「適応力」が深く関係するのです。
イライラしたり不安を感じたりするときは、呼吸が速くなり乱れがちです。ストレスを感じたとき、腹式呼吸で呼吸を整えることは気持ちを落ち着かせ、心身ともにリラックスできます。ポイントは鼻から大きく息を吸って、口からゆっくり息を吐くこと。「気持ちが落ち着いている」「幸せである」とイメージしながら息を吐くようにしましょう。
これを1回に3分間くらい繰り返します。慣れてくると自然に呼吸がゆっくり整ってきます。
環境の変化などのストレスに適応するには、まじめになり過ぎず、何ごとにも「適当」に、「よい加減」に取り組むこと。そして「遊び」も大切な要素です。また、ライフスタイルを見直して健康的な生活を送ることも、心の健康の基盤となります。そのためには、運動、労働、睡眠、休養、食事の5つに注意してバランスよく生活していくことが大切です。
1972年東北大学医学部卒業後、東北大学心療内科助手、呉羽病院心療内科部長、梅田病院院長、横浜労災病院心療内科部長を経て、現職。専門は心身医学と産業医学。