子宮内膜症の原因

正確な原因は不明 「逆流説」「化生説」など、いくつかの仮説あり

子宮内膜症の詳しい原因はまだ分かっていません。しかし、以下のような仮説が考えられています。

  • 子宮内膜症の原因①:経血が逆流して増殖する「逆流説」
     子宮内膜は排卵日に向けて厚くなり、妊娠しなければ剥がれ落ちて月経の経血になる、というのを毎月繰り返している。この時、本来剥がれ落ちて腟から体外に排出されるはずの子宮内膜が卵管を通って体内に逆流し、子宮以外のところに生着、増殖するというのが、この説の考え方。
  • 子宮内膜症の原因②:組織が子宮内膜に変化する「化生説」
     腹膜や卵巣の表面を覆う腹腔上皮が何らかの原因で子宮内膜に似た組織に変化(化生)し、子宮内膜症を発症するという説。子宮内膜症の原因について最初に唱えられた説で、逆流説と並び、二大仮説といわれている。

そのほか、リンパや血管によって子宮内膜が体内に運ばれることで子宮以外にもできるという説や、免疫の異常があるといった説もありますが、いずれも子宮内膜症に対する全ての疑問の解決には至っておらず、残念ながら正確な原因は解明できていません。

子宮内膜症

月経回数の増加が子宮内膜症の発症につながる

正確な原因は不明なものの、月経の回数が増えることが子宮内膜症の進行につながるということは分かっています。現代女性は初経の年齢が早まったことや妊娠・出産回数の減少などにより、生涯に起こる月経の回数が昔とは比較にならないほど増えています。それに伴って子宮内膜症に悩む女性も増加し、出産可能な年齢の女性のうち、7~10%にあたる人が子宮内膜症に悩んでいるともいわれています。

つまり約10人に1人は子宮内膜症を患っているということ。決して他人ごとではない病気なのです。


エストロゲンの分泌量が多い20〜40代が子宮内膜症にかかりやすい

女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が多い20~40代の女性がかかりやすく、中でもピークは30~34歳です。しかし、10代でも月経痛が重いケースでは7割が発症していたという報告もあり、月経がある人全てにリスクがあるといえるのです。子宮内膜症は将来の不妊の原因につながるため、ピークの年齢にあたる人はもちろん、20歳前後の若いうちから定期的に婦人科検診(超音波検査)を受け、異常がないか確認しておきましょう。また検診とあわせて、月経時の経血の量や月経痛がないか、骨盤底の症状(排便痛、性交痛、頻尿、腰痛など)の変化はないかにも注意しておくことが大切です。



この記事はお役に立ちましたか?

今後最も読みたいコンテンツを教えてください。

ご回答ありがとうございました

監修プロフィール
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長 つしま・るりこ 対馬 ルリ子 先生

産婦人科医・医学博士。1984年弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、東京都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年に「ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック」を開院。女性のための総合医療を実現するためにNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立(現理事長)。様々な情報提供、啓発活動、政策提言などを行っている。

監修プロフィール
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長 つしま・るりこ 対馬 ルリ子 先生

産婦人科医・医学博士。1984年弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、東京都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年に「ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック」を開院。女性のための総合医療を実現するためにNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立(現理事長)。様々な情報提供、啓発活動、政策提言などを行っている。

健康情報サイト