緩急のある生き方は
長寿時代に必要なスキル。
女性の〝ゆらぎ〟は社会の中ではネガティブなものに捉えられがち。
でもこのゆらぎにこそ、これからの時代を豊かに生きるヒントがあるのかもしれません。
体調や感情がゆらぐのはネガティブなことじゃない
「女性はすぐ感情的になるから困る」とか「日によって体調や集中力にムラがある」と言われることがありますが、これこそホルモンの〝ゆらぎ〟の影響です。ホルモン分泌の特質上、男性は体調も感情も比較的いつも一定でいられますが、女性は一生を通じてゆらいでいます。こう考えると、ゆらぎは厄介なものに思えてしまうかもしれません。
「ゆらぎというのは、緩急があるということです。調子がよくて頑張れる時もあれば、体を緩ませて休息したい時期もある。例えば月経前後、妊娠中や出産後、更年期は体を緩ませたい時期ですね。こうした緩急のある生き方、働き方というのは、長寿の時代には必要だと感じています」と対馬先生。
ゆらぎのない男性は、心身に多少の負荷がかかってもケアをせずに、走り続けてしまう傾向にあります。そのため、よい生活習慣を身につけずにいると、30代から高血圧やメタボになり、心筋梗塞、糖尿病のリスクが一気に高まります。
「今は百年生きられる時代になっています。短距離走のように人生を一気に駆け抜けるのではなく、緩急をつけながら臨んだほうが、長く健康に生きられるのではないでしょうか」。
ゆらぎがあるからこそ、いろいろな体験ができるし、立ち止まって考えることもできる。家族との時間を大切にしたり、適度な運動をしたり、ちゃんと体を休めたり、自然と親しんだり……、これからの時代に必要な緩急のある生き方は、女性だからこそ切り開いていけるのです。
ゆらぎをコントロールする「低用量ピル」という選択
ゆらぎは女性にとって大事な営みの産物なのですが、ゆらぎに振り回されて生活や仕事に支障を来してしまう人は早めに対策を講じたいもの。低用量ピルは、不足したホルモンを補い、毎月起こる女性ホルモンの変動を緩やかにする作用があります。排卵を抑えるので、脳や体への負担も少なくなります。女性ホルモンをコントロールするアイテムとして活用してみるのも一案です。
