あなたは、毎日ではないかもしれませんが、むくみがあるのではないでしょうか。 血流が悪いと必要な栄養素が細胞に行き渡らず、同時に必要のない老廃物や余分な水分を回収することができなくなります。その状態がむくみです。動かないでいると、足の下の方に静脈の血液がたまり、結果、静脈の中の圧が高くなって充分に水分を吸収できないのです。じっと立っていたり、長時間座っていたりすると脚の静脈の血行が悪くなるので注意が必要です。
塩分の摂取が多い、お酒をたくさん飲む、甘いものをよく食べる、食生活が不規則、野菜や海藻類は食べない、運動不足である、ストレスがたまっているなどの心当たりがある人は、むくみだけでなく、生活習慣病の危険性もあります。生活をよく見直して改善していく必要があるでしょう。喫煙をする人はなるべく禁煙したほうがよいでしょう。
糖尿病などの生活習慣病は、初期では自覚症状がないことが多いので、ちょっとした体調の変化を見逃さないようにしましょう。全身がだるい、のどが頻繁に渇くなどの症状があったら、専門医に相談してみることをおすすめします。
1959年慶應義塾大学医学部卒業。64年同大学大学院修了後、米国ハーネマン医科大学留学。慶應義塾大学医学部老年内科科長、防衛医科大学校第一内科教授などを経て、現職。著書・監修本に『新版心臓病 よくわかる最新医学』(主婦の友社)、『生活習慣病を克服する 病気の分かりやすい解説からその予防・治療まで』(ライフ・サイエンス)など多数。