あなたのパワーは不足しているようです。早急に生活を見直し・改善して、体調に変化を感じていなくても、積極的に健康診断を受けましょう。疲れやすいときは、その疲労感の陰にほかの病気が隠れていることがあります。疲れがなかなかとれないときは、診察を受けるとよいでしょう。疑われる病気は、貧血、うつ病、高血圧、低血圧、甲状腺機能低下症、がんなど。また、糖尿病、肝炎などでも疲れやすくなります。女性は男性より筋肉量が少なく、体力がないので、同じ労働をしても疲れやすい傾向にあります。月経などによるホルモンバランスの変化が影響して疲労を起こしたり、更年期障害の症状として倦怠感が出ることもあります。
あなたは運動する気力すらないはず。趣味でリフレッシュする時間をとることから始めましょう。まずは、3つの休みをとりましょう。それは、仕事の途中での休憩、睡眠、休暇です。昼間15分程度のうたた寝は約1時間の睡眠に匹敵するほど疲労を回復させる効果があります。必要な睡眠時間は個人差がありますが、翌朝、睡眠が不十分と感じないだけの睡眠時間をとることが大切です。どんなに仕事が忙しくても、休日は、1ヵ月に6日以上とるよう努力しましょう。また、食生活を見直すことは、パワー不足の予防と疲労回復に大きく影響します。栄養バランスのよい食事を摂りましょう。バランスのよい食事とは、ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜を中心とした副菜の3つがそろっていることです。単品の食事は栄養のバランスを欠き、特にビタミン・ミネラルが不足してしまいます。身体活動量が多いために疲労が強いときは、通常の2割ほど多く食べ、エネルギーや栄養素を十分に補給する必要があります。ましてや、ダイエットを行なっていると、慢性の疲労から抜け出すことができません。自分に必要な摂取エネルギーを知り、栄養バランスのよい食事を摂り、疲れを感じたら十分に休養をとるようにしましょう。日常生活が著しく損なわれるような強い疲労が6ヵ月以上続くか、再発を繰り返す、精神神経症状(思考力、集中力の低下)などがあるとき、また、原因不明の微熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ、頭痛、睡眠障害などがある場合は、慢性疲労症候群の恐れがあるので、早急に医師に相談するようにしましょう。
1985年、東京慈恵会医科大学大学院修了後、同大学健康医学センター・センター長などを経て、2009年より同大学大学院健康科学教授として現在に至る。専門は予防医学、生活習慣病。