冬は寒さから体が冷えやすくなります。冷えは免疫力を低下させ、かぜなどの病気を招きやすくしてしまいます。まさに「冷えは万病のもと」。薬膳の知恵を活かして体の中から温めましょう。
管理栄養士・国際中医師・国際中医薬膳管理師
しょうがや酒粕など体を温めて血の巡りを促す食材を活かし、冷えから体を守りましょう。巡らすための血を増やすことも大切です。ブリやイカなどに含まれるタンパク質は血をつくります。さらに緑の濃い野菜に含まれるカロテンや葉緑素、きのこ類には抗酸化作用があり、免疫力を高めてくれます。
体を温め、血を巡らせる力の強いしょうがと酒粕を使ったぽかぽか鍋。チンゲン菜も血の巡りを促してくれます。旬のブリは血をつくり、巡りを助けます。たっぷりのきのこで免疫力を高めましょう。
(2~3人分)286kcal・塩分1.4g/人(1/3量)
①鍋にだし汁を温める。温めただし汁を少量取り分け酒粕とみそを溶いてから、鍋にみそ漉しで溶き入れる。すりおろしたしょうがも加えて混ぜる。
②①が煮立ったら人参、ねぎ、きのこ、チンゲン菜の軸、ブリの順に入れる。再沸騰したらアクを取り除き、チンゲン菜の葉も加えて火を止める。
※ブリの代わりに生サケ、生タラ、しゃぶしゃぶ用豚肉でもおいしい。青菜も小松菜、春菊などお好みで。うどんや焼き餅を加えてもおいしい。
※高血圧の方は、煮汁の摂取を控えめに。
冬が旬のブロッコリーとゆずはビタミンCを多く含み、抗酸化力の高い食材です。イカは血を養います。酢の物が苦手な人でも食べられる優しい味わいで、常備菜にもぴったりです。
(作りやすい分量:2~3人で2~3回分)、90kcal・塩分0.5g/人(1/6量)
①イカは1枚に開き、松笠切りにしてから1~2cmの大きさに切る。エンペラと足も食べやすい大きさに切る。小鍋に酢・酒各大さじ3と塩小さじ1/3(分量外)を入れて沸騰させる。塩が溶けたらイカを加えてひと混ぜし、再沸騰したら火を止める(煮過ぎると硬くなるので注意)。
②鍋につけ汁の塩以外を入れて火にかける。沸騰したら人参と塩を加えて混ぜ、再沸騰したら火を止める。
③大きめの耐熱性ボウルにブロッコリーを入れてゆずの皮を散らし②の汁を熱いうちに回しかける。①のイカを水気を切って加え、落としぶたをして室温に冷めるまで置く。冷めたらゆず果汁を加えて混ぜ、2時間ほどおけばできあがり。
※③で玉ねぎやカリフラワー(2cm大)を加えてもおいしい。
※イカの代わりにエビ(殻と背ワタを除き、塩でもみ洗い)でもよい。①と同じ手順で。
※冷蔵で4~5日保存可能。必ず消毒済みの保存容器に入れること。