おうち時間で心の筋トレ!手軽にできるマインドフルネス実践法。

外出できない今だから、マインドフルネス実践法で手軽に心の筋トレ!

新型コロナウイルス感染症の拡大により、先が見えず、不安な日々を送っている方も多いと思います。そんな今だからこそ、ぜひ実践していただきたいのが「マインドフルネス」です。マインドフルネスとは、瞑想を利用して、今この瞬間起こっていることに注意を向け、不安や恐れなどネガティブ感情から心を離していくプロセスや「今この瞬間」に心を向けた状態のことを言います。マインドフルネスを習慣的に行うことで、様々な思考や感情に振り回されにくくなり、自律神経も整いやすくなります。
(本記事は、健康情報誌「セルフドクター」2019年春号記事を再編集し、2020年9月2日に掲載しました。内容はその時の状況に基づいています。)

監修プロフィール
精神科医・産業医・労働衛生コンサルタント おくだ・ひろみ 奥田 弘美 先生

1992年山口大学医学部卒業。臨床診療の他、都内18か所の企業で、働く人の心身のストレスケアに携わっている。『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。日本マインドフルネス普及協会代表理事も兼任。

【朝:マインドフルネス実践法1】起床後に「深呼吸瞑想」

起床後に「深呼吸瞑想」

① 両脚を軽く開いて立ち、おへその下あたりに両手のひらを当てる。手のひらでお腹がへこむのを感じ取りながら、口からしっかりと息を吐き出す。
② 吐ききったら、今度はお腹を膨らませながら鼻から息を吸い込む。お腹の膨らみを手のひらでしっかり感じ取る。膨らみきったら一時停止し、また①のように息を吐き出していく。

【朝:マインドフルネス実践法2】洗顔時に鏡の前で「笑顔ストレッチ瞑想」

洗顔時に鏡の前で「笑顔ストレッチ瞑想」

① 心の中で「口角を動かします」とつぶやき、口角をゆっくり上げる。口角が上がる時の皮膚や筋肉の感覚をしっかり感じ取る。
② 続いて「目を細めます」とつぶやき、両目をゆっくり細めて満面の笑みをつくる。この時も目の周りの筋肉の収縮をしっかりと感じ取る。笑顔を2~3秒キープ。
③ 心の中で「顔を緩めます」とつぶやき、顔の筋肉の緊張をゆっくりと緩ませていく。

マインドフルネスの実践において大切なのは、1日1分でよいので続けることです。マインドフルネスを実践すれば、すぐ不安や焦りがなくなるなど、薬のような即効性はありません。でも、マインドフルネスを続けることで、不安や恐れなどのネガティブな感情に気づきやすくなります。また、徐々にネガティブな感情と距離がとれるようになってきて、ネガティブな感情に振り回されにくくなります。つまり、マインドフルネスは「心の筋トレ」とも言えるかもしれませんね。
マインドフルネスを行う際は、呼吸をする際の空気の流れ、筋肉や関節の動き、五感といわれている感覚に、意図的に意識を集中させながら、ゆっくりと行いましょう。
また、いずれも深呼吸を2〜3回してから行うようにしましょう。

【昼:マインドフルネス実践法3】ランチを食べながら「マインドフルネスイーティング」

ランチを食べながら「マインドフルネスイーティング」

① 心の中で「○○を食べます」とつぶやいてから、箸でつまむ。その食材の色や形をじっくり眺めた後、鼻に近づけて香りを胸の奥まで吸い込んで感じる。
② ゆっくりと口に入れ、まずはかまずに口腔内の感覚、香り、味などをじっくりと感じる。
③ 次にゆっくりとかみながら、口の中で形や味が変化するのを感じ取り、最後にゆっくりと飲み込む。

【昼:マインドフルネス実践法4】歩きながらできる「歩行瞑想」

歩きながらできる「歩行瞑想」

① 背筋を伸ばし、前をゆったりと見る。
② 心の中で「右足を上げます」とつぶやき、右足をゆっくり上げる。右足が上がっていく際に生じる膝や筋肉、皮膚の感覚をしっかり感じ取る。
③ 続いて「右足を下げます」とつぶやいて右足を下げる。膝や皮膚、筋肉などの感覚や、足がかかとから順に地面に着地するのを感じる。
④ 左足も同様に上げ下げを行いながら、ゆっくり歩く。

【夜:マインドフルネス実践法5】リラックスタイムに「上体反らし&首ねじりストレッチ」

リラックスタイムに「上体反らし&首ねじりストレッチ」

① 正座になり、心の中で「腰に手を当てます」とつぶやいてから腰に手を当て、「体を反らします」とつぶやいてから、上半身を無理のない範囲でゆっくり反らす。この時に首や背中の関節や皮膚、筋肉などに発生する感覚をしっかりと感じ取る。無理なく反らせたら1~2秒停止。
② 心の中で「体を戻します」とつぶやいてから、上半身をゆっくりと元に戻す。この時も、しっかりと背中や首などに発生する感覚を感じ取りながら行う。
③ 体を真っすぐに保ったまま、心の中で「左に回します」とつぶやいてからゆっくり首を回す。首の皮膚、筋肉などに発生する感覚をしっかり味わいながら動かす。最大限に回したら1~2秒停止。「首を戻します」とつぶやき、感覚を確かめながらゆっくりと戻す。右側も同様に行う。

【夜:マインドフルネス実践法6】ベッドに寝ながら「数息瞑想」

ベッドに寝ながら「数息瞑想」

① 目を閉じ、両手を体の横に沿わせて全身の力を抜く。
② 下腹を膨らませながら鼻から息を吸い込み、お腹をへこませながら鼻から息を吐き出す。息が鼻から肺へ入っていく感覚、出ていく感覚をキャッチする。このゆっくりと深い腹式呼吸に合わせて、「い~ち」「に~」「さ~ん」と10 まで数を数える。10まで数えたらまた1に戻る。

心と体は1つです。しっかり眠って、しっかり食べていると、自然とポジティブな思考が湧きやすくなるものです。思うように活動できない日々が続いている中ではありますが、生活にマインドフルネスを取り入れ、心や体が喜ぶことを行って、今を元気に乗り切りましょう!


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