卵巣機能の低下によって、月経周期や月経量にも次のような変化が現れます。個人差はありますが、まず通常より月経の間隔が短くなり、その後、間隔が開き、閉経を迎えるというパターンが多く見られます。そして、振り返って1年間月経がないと、1年前に閉経を迎えたということになります。
卵巣機能の低下により、主に以下のような更年期症状が現れやすくなります。しかし個人差があり、このような多くの症状が必ず起こるわけでもないし、こうした症状が現れても、誰もが日常生活に支障が出るほどの「更年期障害」に悩まされるわけでもありません。
また、関節痛や筋肉痛、手・指のこわばりなどが見られることもあります。
女性ホルモン「エストロゲン」には、血管をやわらかく保ち、動脈硬化や内臓脂肪の蓄積を抑制する働きもあり、男性より生活習慣病の発症が抑えられていました。しかし、こうしたエストロゲンの恩恵を受けられなくなる閉経以降は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にかかる可能性が増すことをしっかり受け止め、これまで以上に生活習慣に配慮しましょう。
1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。