ものもらい

ものもらい

「ものもらい」は、まぶたの縁や内側に細菌が感染し、腫れや痛みなどの症状が起こるも目の病気です。医学用語では「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」という病気です。地域によって呼び方がいろいろあり、関西地方では「めばちこ」、四国地方や近畿地方の一部ででは「めいぼ」「めぼ」などと呼ばれています。名前から伝染する病気のように思われがちですが、ものもらいの原因となる細菌は、そもそも常在菌(人が常に持っている細菌)であるため、人から人にうつることはありません。

監修プロフィール
芝大門 いまづクリニック院長 いまづ・よしひろ 今津嘉宏先生

1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。

ものもらいについて知る


ものもらいの原因

ものもらい(麦粒腫)の原因は、皮膚に存在する「常在菌」の増殖

目には上下のまつ毛の生え際よりやや内側に「マイボーム腺」という穴があり、涙の蒸発を防ぐ皮脂を分泌しています。「ものもらい」は、この皮脂腺であるマイボーム腺やまつ毛の毛穴に細菌が感染して腫れや痛みなどが起こる、まぶたの急性化膿性炎症で、一般的には「麦粒腫」を指します。まつ毛の毛穴にできたものを「外麦粒腫」、マイボーム腺にできたものを「内麦粒腫」といいます。

同じくまぶたは腫れますが、痛みを伴わない「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」などを含めてものもらいと呼ぶこともあります。

麦粒腫の原因となる主な細菌は、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など、皮膚の表面に常に存在している常在菌。これらは、普段は悪影響を及ぼしませんが、体の抵抗力が落ちると増殖し、マイボーム腺やまつ毛の毛穴に感染して腫れや痛みなどを引き起こしてしまいます。ものもらいは、以下の場合にも起こりやすくなります。

マイボーム腺
  • ものもらいの原因①:不衛生な状態

汚れた手で目をこする、汚れたタオルで目を拭くなど、目の周りが不衛生な状態になると、ものもらいにかかりやすくなる。

  • ものもらいの原因②:高温多湿の夏

高温多湿の夏は、細菌が増殖しやすいうえに、暑さによる睡眠不足や夏バテなどで抵抗力も落ち、ものもらいにかかりやすい。

  • ものもらいの原因③:アレルギー

花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患をもっている人は既に粘膜や皮膚に炎症が起きており、細菌に感染しやすい状態にある。さらに、目やその周囲にアレルギー症状が現れると目をこすることも多くなるので、細菌の感染を招きやすくなる。

  • ものもらいの原因④:コンタクトレンズ

コンタクトレンズユーザーは、まず目の周りをよく触ることで目に細菌を持ち込みやすい。また、コンタクトレンズの保存ケースの中で細菌が増殖することも少なくないため、ものもらいが起こりやすくなる。さらに、コンタクトレンズユーザーに多く見られるドライアイは、結膜や角膜が乾燥しバリア機能が落ちている状態であるため、感染を起こしやすくなる。

  • ものもらいの原因⑤:前髪が目にかかっている

ものもらいは、髪の毛の先端が当たる場所によくできる。特にカットしたばかりの毛先はとがっているため刺激が強く、目にかかる部分にものもらいができやすくなる。

ものもらいになりやすい人

ものもらいの症状

ものもらい(麦粒腫)は、まぶたの腫れや痛みが起こり、膿が出ることもある

まつ毛の毛穴やマイボーム腺に細菌が感染すると、初期にはまぶたに赤みが出て、軽いかゆみなどを感じます。症状が進行するに伴い炎症が強くなり、赤み、腫れ、痛みが強くなり、目がゴロゴロするなどの症状も見られるようになります。やがて皮下に膿がたまり、自然に破れて膿が出ることもありますが、その後は回復に向かいます。

霰粒腫は、マイボーム腺の出口が詰まって分泌物がたまり、しこり(肉芽)がまぶたの中に現れます。一般的に痛みや赤みなどの症状はありませんが、麦粒腫と似た急性炎症を伴うこともあります(急性霰粒腫)。

ものもらいの種類と症状

ものもらいの対策

ものもらい(麦粒腫)は、軽度なら市販の抗菌目薬で対処

ものもらいの症状が出たら、悪化させないように目や目の周りが清潔に保てるようにします。症状が軽い場合は、市販薬でも抗菌目薬が出ていますから、市販薬で対処するのもよいでしょう。菌の繁殖を防ぐ抗菌剤、抗炎症剤を配合した目薬などがあるので、薬剤師に相談してください。

麦粒腫の場合

ものもらいの痛みやひどい腫れがある場合は眼科を受診する

痛みを伴うものや腫れのひどい場合には、眼科の受診をおすすめします。麦粒腫の場合、病院での治療の基本は抗菌目薬を使用し、症状の程度によって眼軟膏や内服薬も処方されます。化膿が進み、膿がたまっている場合は、手術で切開して膿を出すと治りが早くなります。

霰粒腫の場合は基本的に手術となりますが、痕はほとんど残りません。手術をせず、ステロイド薬の点眼、軟膏、注射を使って吸収させるという方法もあります。

アレルギー疾患の影響でものもらいを起こしやすい人は、アレルギー疾患の治療も必要となります。抗菌薬に加え、抗アレルギー薬やステロイド薬の目薬も処方されます。

手術が必要な場合

ものもらいを悪化させない、日常生活のケア方法

ものもらいの症状が出たら、悪化させないように目や目の周りが清潔に保てるようにします。症状が軽い場合は、市販薬でも抗菌目薬が出ていますから、市販薬で対処するのもよいでしょう。菌の繁殖を防ぐ抗菌剤、抗炎症剤を配合した目薬などがあるので、薬剤師に相談しものもらいになった時は、悪化させないよう、以下のような事項にも気をつけましょう。

  • 目の周りを清潔に保つ。なるべく化粧をしないように。特にアイメイクは控える。
  • コンタクトレンズの装着を控える。
  • 顔を洗う時は刺激の弱い石けんを使い、拭く時はこすらないように優しく拭く。
  • 麦粒腫は温めないように。温かい環境では菌が増殖しやすく、急性炎症が起きている時には悪化させやすい。
  • ほてった時は冷やすとよい。
セルフケア法

ものもらいの予防法

目の周りを清潔にし、抵抗力を落とさない

細菌が目や目の周りにつかないようにすると共に、抵抗力を落とさないようにすることが大切です。

  • ものもらいの予防法①:前髪や爪のケア

前髪が目にかかると目に入って傷つけたり、感染を引き起こしたりすることもあるので、上まぶたに触れないように切ったり、ピンで留めたりする。また、爪が長いと爪の内側が汚れやすいので、こまめに切るようにする。

  • ものもらいの予防法②:アイメイクは控えめ

落ちにくいアイラインやマスカラ、つけまつ毛などは目の周りを刺激したり、不衛生になったりしやすいので、アイメイクは控えめにして、寝る時は必ず落とすようにする。

  • ものもらいの予防法③:コンタクトレンズやレンズケースは清潔に

直接目に入れるコンタクトレンズは特に、清潔を保つように注意する。レンズを保管しておくケースも、雑菌を繁殖させないようにする。レンズはケースから取り出してもすぐに装着せず、専用のすすぎ液やレンズケア液ですすいでから装着するようにするとよい。

  • ものもらいの予防法④:体調管理を行い、抵抗力を落とさない

体の抵抗力が落ちていると細菌の感染を招きやすくなる。十分な休養と睡眠、ストレス解消などに留意し、体調管理を行う。

花粉対策

お役立ちコラム

目薬の正しい使い方

目薬を使用する際には、用法・用量を守り、容器内に雑菌を侵入させないようにします。正しい点眼の仕方は次の通りです。

  • 手を石けんと流水できれいに洗い、清潔なタオルやペーパータオルで拭く。
  • 目薬のキャップを外したら上を向き、下まぶたを軽く引いて点眼。この時、点眼ボトルの先端がまつ毛につかないように注意する。
  • 点眼後は軽く目を閉じ、薬液が目全体に広がるようにする。薬液があふれたら、清潔なティッシュで軽くぬぐう。
  • 使用後はキャップを固く閉め、直射日光の当たらない冷暗所で保存する。
目薬の正しい使い方

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