めまい

めまい

めまいといっても、その症状や原因は様々で、対処法や受診すべき診療科も異なります。「景色がグルグル回って見える」「目の前がフワフワした感じに見える」というように、原因によって症状は異なり、心配のいらない一過性のものもあれば、ストレスなどによる心因性のもの、薬によって起こるめまいや、脳腫瘍や脳出血、脳梗塞など重大な病気が原因で起こっているめまいもあります。めまいは、体の機能のどこかに不調やトラブルがあるから起こるものです。まずはその要因を突き止め、適切な予防や対策を行うことが大切です。

監修プロフィール
川越耳科学クリニック院長、埼玉医科大学客員教授 さかた・ひであき 坂田 英明 先生

1988年埼玉医科大学卒業。帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手、ドイツ・マグデブルグ大学耳鼻咽喉科研究員、埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科副部長、目白大学言語聴覚学科教授を経て、現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医。著書に『【読む常備薬】図解 いちばんわかりやすいめまいの治し方: 「医師がすすめる名医」の最善・最短の治療法』(河出書房新社)『あぶない! 聞こえの悪さがボケの始まり: 「耳」を知る、治す、鍛える』(小学館)などがある。

めまいについて知る


めまいの原因

めまいは体の不調を知らせるサイン

めまいは平衡感覚のトラブルが原因で起こります。飛行機を想像してみてください。飛行機は管制塔が必要な情報や指示を送ることで、安全に飛行することができます。私たちの体がバランス感覚を維持できるのは、飛行機と同じように、内耳にある感覚器官や目、筋肉、関節などから、平衡感覚を保つための情報が脳へと送られているためです。しかし、体の中で何かの異常があり脳に間違った情報が送られると、このシステムに障害が生じて脳が混乱します。この混乱している状態が、めまいの症状です。
この平衡感覚の異常には心身に潜む様々な背景因子があり、めまいに対する適切な予防や治療を行うためには、この背景因子を突き止めることが大切です。今回は背景因子となる具体的な病気や、体の異常、症状についてご紹介します。

■病気や不調によって起きるめまい
めまいは平衡感覚の異常が原因なので、その機能を担っている耳や脳に不調や病気が潜んでいることが多いです。他にも眼精疲労からくるものや、足や婦人科系の病気、低血圧や自律神経の乱れなどが要因となることがあります。
■他の病気の治療や服薬から起きるめまい
病気の治療のために服用している薬が原因となり、めまいを引き起こすこともあります。睡眠薬や降圧剤、鎮痛薬を常用している場合や、脳梗塞の再発予防などで抗血小板薬や抗凝固薬を常用している人は、主治医に相談の上で服薬の中止や休止、減薬、薬の変更をすると症状が改善する場合もあります。
■生活習慣などによって起きるめまい
姿勢の悪さからくる頸椎の不調、喫煙や睡眠不足、歯ぎしり、自律神経の乱れなどの体の中の不調や、生活習慣などから起こるめまいもあります。その他、耳や脳などに異常がなく、うつ病などの心の不調によるめまいや、自律神経が未成熟な子どもや、降圧剤の服用によって立ちくらみが起こるめまいもあります。


めまいの背景因子となる病気をチェック!

めまいの背景因子になり得る病気には、比較的軽いものから命にかかわるものまで含まれます。どのような病気によってどのようなめまいが現れるのかを知っておくと、適切な対処につながります。

耳の構造の説明図。良性発作性頭位めまい症は耳石の一部がはがれ三半規管に入り込むことでおこります。

■良性発作性頭位めまい症(BPPV)
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、頭を左右や上下に動かした際に、内耳にある耳石の一部が剝がれ、三半規管に入り込むことで起こる病気です。耳石によって平衡感覚をつかさどる神経が乱れ、めまいが起きます。三半規管の低い位置にある「後半規管」に耳石が入ると、朝起き上がった時、寝返りを打った時などに激しくグルグル回るようなめまい(回転性めまい)を感じます。一番外側にある「外側半規管」に入ると、フワフワとしためまい(浮動性めまい)を感じます。症状は起床時に起こりやすく、多くは1分程度で治まり午後には改善することが多いため、過度な心配は不要です。基本的には回転性めまいが起きやすく、まれに浮動性めまいが出ることもあります。
■前庭神経炎
前庭神経炎は、平衡感覚に関係する情報を脳に伝える前庭神経が傷つき炎症を起こすことで、めまいが起きます。難聴や耳鳴りなどは起きませんが、激しい回転性めまいを起こし、2、3日ほど断続的に続きます。治療の開始が遅れると神経の回復が遅くなることもあるので、症状によってはBPPVより危険度が少しアップします。かぜをひいた後に症状が出ることが多いため、ウイルス感染が原因とも考えられています。
■メニエール病
メニエール病は、不安定な天候やストレスなどによって内耳が水ぶくれのような状態になることで起こり、めまいと共に片側の難聴や耳鳴りなど耳に関する症状を伴います。多くの場合、めまいの症状が数時間続き、症状が2回以上繰り返されますが、再発を繰り返していると症状が治まりにくくなります。長く続くとめまいの発作は少なくなりますが、難聴が進行することがあるので、放置してしまうと危険な病気です。
■突発性難聴
突発性難聴は、文字通り突然片側の耳が聞こえなくなる病気です。同時に耳鳴りや強い回転性のめまいを生じ、耳が詰まったようになることもあります。症状はメニエール病と似ていますが、めまいが長く続くことも繰り返すこともありません。ただ、めまいや難聴がひどい場合は、治療が遅れると、難聴が残ったり完治しないままになってしまったりすることもあります。早期発見、早期治療を受けることが重要です。
■脳血管障害
最も危険なめまいは、脳の病気に起因するめまいです。脳血管障害は、激しい回転性めまいに加え、ろれつが回らない、激しい頭痛があるなどの症状が見られる場合は、脳梗塞や脳出血といった脳血管に障害やトラブルが起きている可能性があります。

脳の病気に起因するめまい(脳血管障害)は、回転性のめまいに加えて、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状がある。

大きな脳梗塞や脳出血が起きれば、最悪の場合、命の危険もあるので、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診する必要があります。
また、めまいは脳梗塞の前兆や初期症状として現れるだけではなく、脳梗塞の後遺症として残ることがあります。これを「脳血管障害後遺症」といいます。脳梗塞によって小脳や脳幹が障害を受けると身体のバランスが取れなくなるため、回転性めまいを起こしたり、その後に浮動性めまいを起こしたりします。


めまいの種類・症状

あなたはどのタイプ? めまいのタイプ別に症状や特徴を解説

突然めまいに襲われても、その背景要因が何なのかを自分で判断するのはなかなか難しいものです。めまいの主な原因は、平衡感覚をつかさどる「耳(内耳)の障害」と脳血管障害や脳腫瘍など「脳の障害」のいずれかであることがほとんどです。この2つの障害を引き起こす背景因子となる病気や不調を導き出すのに役立つめまいの症状や特徴を、タイプ別に解説していきます。ご自身に起きているめまいが、どのタイプなのかを知ることで、体に潜む不調や病気についても知ることができます。
■回転性めまい(グルグルタイプ)
症状:回転性めまいは、メニエール病や突発性難聴などの内耳の障害、脳幹・小脳のトラブルからバランス感覚が狂い、安静時においても、自分自身や周囲の景色がグルグルと回転しているように感じます。時には立っていられなくなることや、吐き気をもよおすことも。耳鳴りや難聴を伴う場合もあります。
特徴:回転性めまいの多くは、命にかかわるようなものではなく、一過性のものがほとんどで、症状は一時的で長期間持続するわけではありません。背景因子となる病気が治まれば、めまいも同時になくなっていくことがほとんどです。
■浮動性めまい(フワフワタイプ)
症状:浮動性めまいは、脳や耳に異常がないにもかかわらず、体がフワフワと浮かんでいるように不安定に感じるめまいです。足元がおぼつかなくなるため、真っすぐ歩けなくなることも。症状が一時的であれば心配はありませんが、意識障害や手足の麻痺などがある場合は、脳に原因がある可能性があります。
浮動性めまいを引き起こす主な背景因子は、自律神経の障害です。自律神経のバランスが崩れると筋肉が緊張し、血管が細くなって血流が滞りやすくなります。その結果、耳の働きが低下してめまい症状が出現すると考えられています。もう1つ、原因と考えられているのは頸椎の異常です。猫背やスマートフォンを常用することによる悪い姿勢が影響し、脊椎が真っすぐの状態になってしまう「ストレートネック」になると、歩行時に足が着地した際の振動が頭蓋骨にダイレクトに響き、浮動性めまいを招きます。
特徴:浮動性めまいは、回転性めまいと同様、一定期間だけ続いた後で完全に消える場合もありますが、いつの間にかめまいが生じてそれが何カ月、何年も続く場合もあります。
■立ちくらみ
症状:立ちくらみは、立ち上がった瞬間や、長時間立ち続けた後に、クラッとしたり、目の前が暗くなったりします。立ちくらみとめまいは、よく混同して考えられていますが、実は全く違うもの。めまいは平衡感覚の異常が原因なのに対して、立ちくらみは脳への血流低下や血圧変動によって起きます。人の体は常に一定の血流になるように調節されていますが、急激に姿勢が変化すると調節が追いつかず、血流が減って立ちくらみを起こします。血圧のコントロールは自律神経によって行われていますが、そのバランスが狂うと立ちくらみが起こりやすくなります。
特徴:立ちくらみは、多くの場合、重い病気によるものではありません。ただし中には、全身の病気によって立ちくらみが起きている場合もあるので、繰り返し症状が起きる場合は、後述する診療科に相談しましょう。


原因不明のめまいはPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)かもしれません

PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)は、耳・脳など身体的な異常がないにもかかわらず、めまいが起きる症状の名称です。原因がはっきりしないまま長引く慢性的なめまいの新しい概念として、PPPDという定義が2018年に生まれました。PPPDの特徴としては、浮動性めまいが3カ月以上ほぼ毎日、長時間続きます。医療機関では薬物や前庭リハビリテーションなどによる治療が行われますが、病名が分からず不安だった人の中にはPPPDと診断されただけで症状が改善したというケースもあります。また、背景にうつ病が潜んでいる場合もあります。原因が分からずに、長期間にわたって同じめまいの症状が毎日のように起きたり、過去にあっためまいが再発したりする場合は、医療機関を受診しましょう。


めまいの治療・対処法

めまいの慢性化を防ぐには、早期の治療が大切

めまいには、「急性期」と「慢性期」があります。めまいがいつ起こるか、症状が繰り返されるかは、背景因子や陰に潜む病気の種類、進行状態によっても変わります。めまいの症状が出たら、まずは背景因子を突き止めることが回復への近道です。症状が軽くても放置せず、早めの処置、治療を行うことでめまいの慢性化を防いでいきましょう。
■めまいの急性期(症状が数時間~数日間の場合)
原因となる障害や病気の箇所が内耳、脳いずれの場合でも、急性期は眼振(眼球の動きの揺れ)がみられ、回転性めまいが長くて数日間ほど続きます。そのまま放置してしまうと、原因となっている病気が進行し、運動障害が起きることで、精神不安も強くなり、めまいも「急性期」から「慢性期」へと移行します。
■めまいの慢性期(症状が1カ月以上の場合)
慢性期とは、めまいなどの発作が治まりきらず続いている時期、あるいは、発作はなくなったものの精神的な不安が治まらない時期のことです。症状としては、脳に障害がある場合は眼振が残りますが、それ以外の原因の場合は、回転性めまいから浮動性めまいへと移行していきます。


突然のめまい! 正しい対処法は?

めまいの症状が現れた時、まずどのような対処をすべきか? 外出先の場合は、無理に動かず座ったりしゃがんだりして安全を確保してください。屋内で横になる場所がある場合は、照明を消しカーテンを閉めた薄暗い空間で横になって、気持ちを落ち着かせます。めまいが軽くなる方向に頭を向け、あまり頭を動かさず安静にしましょう。できるだけ光や音などの刺激を遮るのがベターですが、目を閉じるとめまいが悪化するので、目を開けたまま一点を見つめるようにしてください。症状が治まるまで様子をみますが、症状が改善しない場合や意識障害などがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。


めまいの症状によって受診先が異なります

めまいが起きた時、あなたはどこの病院に行けばよいか、すぐイメージできますか? ここでは、現れる症状別に診療科をご紹介します。
■症状がめまい、耳鳴りのみの場合
内耳の障害からきているめまいの可能性が高いため、まずは下記の専門科へ。万が一脳に障害がある場合でも、下記専門科であれば、スムーズに脳の専門医療機関につなげることができます。
受診先:耳鼻咽喉科、めまい外来、神経耳科、平衡神経科
めまいを起こす原因が明確になった場合、以下のような治療や対処が行われます。
・メニエール病:内耳の水ぶくれや血液循環を改善する薬による治療を行う。
・前庭神経炎:炎症を抑えるステロイド剤や抗めまい剤が投与される。
・降圧剤などの薬が原因の場合:自己判断で服用をやめたりせず、医師に相談し服薬を調整する。
■症状がめまい、耳鳴り以外にもある場合
脳の障害によるめまいが疑われるため、まずは下記の受診先へ。原因となる病気を治療し、めまいの症状改善を目指します。心因性の場合は、カウンセリングを含めた精神神経学的なアプローチも行います。
受診先:脳神経外科、神経内科、心療内科 

めまいは、耳鼻咽喉科をはじめ、内科、神経内科、循環器内科、脳外科、小児科、眼科など、あらゆる現場でみられる症状です。しかしながら、めまいにおける専門知識が十分ではない現場もまだ多く、問診や検査が不十分で適切な治療や対策がなされない場合もあります。まずは信頼できるかかりつけ医に相談し、めまいの症状を詳しく伝えた上で、適した診療科を紹介してもらうことが得策でしょう。


めまいの予防法

まずは日々の食事と習慣で「自律神経」を整えよう

めまいを起こす原因は多岐にわたりますが、患者が多い浮動性めまいにおいては、自律神経が不安定となることに関連が深いといわれています。毎日の食事や生活習慣で腸内環境を整えて、「やる気ホルモン」といわれている副腎皮質ホルモンの分泌を促すことで自律神経を整え、めまいを予防する方法についてご紹介します。
■朝、起床後に白湯を飲む
白湯で腸を温めながら腸内環境をリセットし、副腎皮質ホルモンを分泌させます。
■朝食にバランスのよい和食を食べる

めまいの予防法。朝食にバランスのよい和食を食べる。

自律神経を整えるためには朝は体を温めて体温を上昇させることが大切です。根菜類(ごぼう・人参・ショウガ・山いもなど)や、寒い地方で育った食材(サケ・イクラなど)、発酵食品(納豆・みそ・ぬか漬けなど)といった「体を温める食材」を摂りましょう。さらに、1日の始まりの「エネルギー源」として必要となる、適度な炭水化物やタンパク質、塩分も必要です。総合的に考えると「昔ながらの和食」がベストの朝食といえるでしょう。
■昼食は軽めに、80~100gの糖質を摂取する
昼食にお腹いっぱい食べてしまうと、血糖値が急激に上昇・降下し眠くなってしまいます。自律神経のバランスの乱れにも影響するので、昼食は軽めに済ますことを心がけましょう。また、体温の上昇と副腎皮質ホルモンの分泌のピークを、自律神経と体のリズムを整えるのに理想のタイミングである14時頃にもっていくためにも、適度な糖質の摂取が必要です。とはいえ、糖質の大量摂取は体によくありませんので、1食につき80~100gにとどめてください。
■おやつには、常温のはちみつレモン水を
夕方に向けてもう一度体のスイッチを入れるために、甘いものを摂取するのもよいでしょう。中でもおすすめなのは、細胞の代謝を助け、血行促進や疲労回復の効果が高いビタミンB群を含むはちみつと、抗酸化や代謝促進の作用があるレモンを組み合わせた、はちみつレモン水です。冷やして飲むと腸が冷え過ぎてしまうので、できる限り常温の状態で飲みましょう。
■夕食では体を冷やす食材を摂る
14時以降に徐々に下がっていく体温が寝る直前に最も低くなるように、夕食では体を冷やす食材を摂りましょう。例えば、葉野菜(キャベツ・レタス・白菜・ほうれん草)、その他野菜(トマト・きゅうり・大根)、暑い地方でとれる果物など(すいか・バナナ・パイナップル)、グリシンの豊富な食材(エビ・カニ・ホタテなどの甲殻類)。ギャバが豊富で体温や血圧を下げて睡眠の質を高める効果のある発芽玄米、じゃがいも、チョコレートなどもおすすめです。また夕食は寝る3時間前までに終えるようにしましょう。
■寝る前にコップ1杯の冷たい水を飲む
夕食で下げた体温をさらに下げるために、寝る前に冷たい水を飲みましょう。体温がすでに下がっていると実感できる場合は、常温の水でもOKです。夜中にトイレに行きたくなるからと寝る前に水を飲むことを避ける人もいますが、人は寝ている間に意外と汗をかいています。脳梗塞を発症する時間帯は明け方が多いというのも、就寝中に汗をかき、脱水症状になっていることが一因ともいわれています。頻尿を恐れるよりも、寝る前に水を飲むことで重篤な病気を防げるということを認識してほしいと思います。

まずはこのルーティンを2週間ほど試してみてください。徐々に変わってくる実感を得られると思います。その他、ウォーキングなど適度な運動を行う、質のよい睡眠をとるためにぬるめのお湯に浸かる、3食きちんとバランスよく食べるなど、規則正しい生活を心がけることで体温のリズム、自律神経のバランスを整えていきましょう。

耳の血液循環を促そう

耳の中の血液循環が悪いと、耳の機能が低下し、めまいが起きやすくなります。食事や運動による予防法をご紹介します。
■ビタミンB群と水分を意識的に摂取
血液循環の促進に有効とされているのが、ビタミンB群です。中でもビタミンB12には末梢神経の代謝を改善する作用があり、耳鳴りやめまいの治療薬としても使われています。ビタミンB12は、貝類、青魚、レバーなどに多く含まれていますので食事に積極的に取り入れましょう。また血液循環を促すという意味では、日々の適切な水分摂取も欠かせません。
■ふくらはぎへの刺激と「四股踏み」「タオル踏み」
直接耳に刺激を与えるマッサージを行うのもよいですが、下半身の中でもポンプの役割をしているふくらはぎの筋肉を動かすことで、血流を促進するのもおすすめです。通勤中に電車の中でつま先立ちをしたり、つま先歩きをしたりして日常的にふくらはぎを刺激しましょう。ふらつくことがある人、めまいを起こしやすい人におすすめなのが家の中でできる「四股踏み」と「タオル踏み」です。体のバランスは、視覚情報と、内耳の前庭が感知する頭の動きの情報、そして足裏の感覚の3つが小脳で統合されて保たれています。これらのどれか1つでも働かないとめまいが起こりやすくなるので、四股を踏んだり、折りたたんだタオルの上で足踏みを行ったりして、足裏全体に反復的に刺激を与えましょう。体のバランス感覚が整いやすくなり、めまいが起きづらくなります。

めまいの予防法。しこを踏む
めまいの予防法。タオルを踏む

めまいはその原因も症状も多岐にわたり、一時的な症状で気にならないものもありますが、重篤な病気が潜んでいる場合もあります。 これからは、めまいが起きたら、できる限り詳細な情報を医師に説明できるように、「いつ・どんなめまいが起きたのか? どんなタイプのめまいなのか?」を意識するようにしてください。こういった情報がめまいの背景因子の究明にも回復にもつながります。めまいの症状があっても、「病院に行くほどではないかも」と医療機関に行くのを後回しにしてしまうことが多くあるかと思いますが、めまいは体や心からの不調のサインでもあります。特に症状が重い場合や長引く場合は、手遅れにならないように、ぜひかかりつけ医に相談しましょう。


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