コレステロールや
中性脂肪の数値を
チェックしよう。
コレステロールや中性脂肪の数値を知ることが、セルフケアの第⼀歩。
⼥性は年齢に応じた数値も出ているのでチェックしてみましょう。
コレステロールや中性脂肪は⽣命活動に不可⽋なもの
2つのコレステロール
LDL(エルディーエル)コレステロール
肝臓でつくられたコレステロールを全⾝の細胞まで運ぶ役割。細胞で使われずに余ると⾎管の壁にたまり、動脈硬化の要因になることから「悪⽟コレステロール」とも呼ばれている。
HDL(エイチディーエル)コレステロール
⾎液中や⾎管の壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に戻す役割。HDLが多いと動脈硬化になりにくいため「善⽟コレステロール」とも呼ばれている。
脂質は敵じゃない!
コレステロールや中性脂肪は増え過ぎると⾎液の流れを悪くし、⾎管にも悪影響となります。でも、これらの脂質は決して健康の敵ではありません。上図のように、細胞膜やホルモンの原料となったり、体を動かすエネルギー源となる⼤事な要素なのです。
⼥性の場合は、閉経後に急に脂質の数値が⾼くなった⽅もいるでしょう。でも、慌てないで。⼥性の体の変化に対応した基準値があるのです。
「そもそも⼥性と男性ではコレステロールや中性脂肪の検査値が違って当然。それなのに、これまでは男性も⼥性も同じ値を基準値としていました。また、⼥性はエストロゲンの分泌量が年齢で変わるため、年齢によっても基準値が変わるのです」と天野先⽣。私たち⼥性が参考にしたいのは、下の男⼥・年齢別に分けた基準値です。
私たちが参考にしたい脂質の基準値
⽇本⼈間ドック学会が150万⼈の調査結果から導き出した基準値は、
男⼥・年齢別(⼥性のみ)。
現在の健診の基準値よりも概ね「健康」の範囲は広がりましたが、
⼥性の中性脂肪の上限は低くなっています。
閉経前なのにコレステロール値が⾼い⼈は
閉経前からLDLコレステロールが⾼い⼈は、遺伝的な要因から発症する「家族性⾼コレステロール⾎症」が疑われます。⽣まれつきLDL受容体に問題があるために起こるもので、⾷⽣活などに関係なく発症。この病気の場合、⽣活習慣の改善だけでコレステロール値を下げるのが難しいため、薬物療法も必要に。早期治療が⼤切なので、疑われる場合は早めに受診しましょう。
この数値も要チェック!
上記の基準値内だからといって安⼼は禁物。下記の3つの値が1つでも当てはまれば「脂質異常症」と診断される。ただし、脂質異常症と診断されても、これまでに狭⼼症や⼼筋梗塞などの冠動脈疾患にかかっていなければ、医師から⽣活習慣の指導を受けることになる。
■「脂質異常症」の診断基準値
- HDLコレステロール
- 40mg/dL未満
- LDLコレステロール
- 140mg/dL以上
- 中性脂肪
- 150mg/dL以上