春は苦味のある旬野菜でデトックス

「薬膳」は難しいと思われがちですが、実は特別な食材は必要なく、旬の恵みをいただくことが基本。簡単に作れる薬膳で春の体を整えましょう。

監修プロフィール
うえき・ももこ 植木 もも子 先生

管理栄養士・国際中医師・国際中医薬膳管理師

春の薬膳Point

薬膳では各季節に対応した「五臓」<肝・脾・心・肺・腎>と、それを整える「五味」<酸・甘・苦・辛・鹹(かん)>があると考えます。春は、冬の間に体にため込んだ不要な物を排出するために解毒作用のある「肝」の働きを高めることが大切。五味のうち「苦味」は肝の働きを助けてくれます。春は苦味のある山菜が芽吹く頃。旬の食材には季節の体に必要な性質をもつものが多いので積極的に摂りましょう。

春の薬膳ポイント

01 菜の花と鶏肉、アサリの炒めもの

菜の花と鶏肉、アサリの炒めもの

菜の花には「苦味」と独特な「辛味」がありますが、「苦味」には排泄作用、「辛味」には気血※を巡らせて体を整える働きがあります。アサリのタウリン、鶏胸肉のイミダペプチドで疲労回復も。
※薬膳で「気」は生命活動を行うエネルギー、「血」 は血液と、血液が運ぶ栄養素を指します。


材料

(2人分)298kcal/人
・アサリ(殻つき・砂抜き済み)・・・300g
・鶏胸肉(3cm大の削ぎ切り)・・・180g
・菜の花(3〜4cmに切る)・・・1束
・しょうが(みじん切り・・・10g
・あさつき(小口切り)・・・ 20g
・酒・・・大さじ4
・オリーブ油・・・大さじ1と1/2
・塩・こしょう・・・少々


作り方

①鶏肉に酒大さじ1と塩少々(分量外)を混ぜておく。

②中華鍋または深めのフライパンにオリーブ油を熱してしょうがを炒め、香りが出たら鶏肉を加えて色が変わるまで炒める。

③②に菜の花を加え油をからめ、鍋の中央をあけてアサリを加えてさらに炒め、残りの酒を回しかけて蓋をする。

④強めの中火にし、アサリの口が開いたら、あさつきを振り混ぜ、塩・こしょうで味を調えて火を止める。

02 山菜が香るサラダ風混ぜごはん

山菜が香るサラダ風混ぜごはん

山菜の香りや酢漬けしょうがの「酸味」は体内の気の巡りをよくし、気が巡ることで、血と津液(しんえき)<体液>の巡りもよくなります。エビや魚の良質な
タンパク質で肝機能もアップ。


材料

(2人分)765kcal/人
・ふき(葉と根元1/3をカット)・・・2/3本
・こごみ(根元をカット)・・・4~5本
・せり(粗みじん切り)・・・15g
・三つ葉(粗みじん切り)・・・15g
・卵・・・ 1個
・むきエビ(小)・・・50g
(塩で揉み流水で洗って水気を拭いておく)
・刺身(タイ、イカなど)・・・約100g
・A:酒・・・大さじ1、薄口醤油・・・大さじ1/2
・白すりごま ・・・大さじ1
・ご飯・・・1合分
(昆布5cmを入れ同量の水で硬めに炊いておく)

<ドレッシング>
Bを混ぜて5分おき、Cと混ぜ合わせる。
・B:玉ねぎ(すりおろし)・・・小さじ2、酢漬けしょうがの汁・・・大さじ1、塩・・・小さじ1/3
・C:酢漬けしょうが(千切り)・・・10g、レモン汁・・・1/2個分(約大さじ1)、オリーブ油・・・大さじ1/2、むきエビの蒸し汁・・・大さじ1


作り方

<ふきとこごみの下ごしらえ>
ふきは薄皮の先端を2〜3cmむき、一周したら全部の薄皮を持って一気に引っ張って全体をむく。3cm大の薄切りにし、すぐ塩水に15分ほど浸してアクを抜き、洗う。耐熱容器に薄い塩水と共に入れてラップをし、電子レンジで2分加熱。冷水に取り、水を数回替えて冷やす。こごみはゆでて冷水に取る。

①卵はよく溶き、塩少々・酒小さじ1(分量外)を加えてよく混ぜ、炒り卵にする。

②むきエビを小鍋に入れて酒大さじ2(分量外)を振り、蓋をして火にかける。色が変わったら上下を返し、火を止めて余熱で中まで火を通す(蒸し汁はドレッシングに使用)。刺身は食べやすい大きさに切ってAに浸しておく。

③ボウルに温かいご飯を入れてドレッシングを回しかけ、うちわであおぎながら、切るように混ぜ、温かいうちにすりごま、ふき、せり、三つ葉を入れて混ぜる。

④少し冷めてから②を混ぜ、器に盛って①を散らし、こごみを飾る。


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