熱中症は、高温多湿、風が弱い、日射しが強い日に多く発症します。また、夏の初め、梅雨の合間で突然気温が上昇した日など、まだ体が暑さに適応できていない状況で起こることもあります。こうした環境にかぜや疲労、睡眠不足や下痢などの体調不良が重なることでもかかりやすくなります。
近年は節約意識の高まりから冷房の使用を我慢する人が増え、高温多湿による熱中症も増えています。特に高齢者は室内で熱中症にかかる人も少なくありません。
人間は熱に弱い脳や体を守り、暑さや運動によって深部体温が過度に上昇するのを防ぐため、自律神経が指令を出す2つの体温調節システムが備わっています。しかし、暑さや体調、持病などによりこれらの体温調節システムが上手く働かないと熱中症にかかりやすくなります。
自治医科大学大学院医学研究科修了。日本消化器病学会認定専門医、日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医、日本抗加齢医学会専門医、米国消化器病学会国際会員。『新しい腸の教科書』(池田書店)他著書多数。