美肌づくりは胃腸から

胃腸の調子が悪ければ、高価な美容液も、美肌を考えた食事も無駄に終わってしまうことに・・・。必要な栄養をしっかり吸収できる胃腸こそが、美肌をつくるカギなのです。

あなたの胃腸は健康?セルフチェックしてみよう

まずは、あなたの食習慣や心身の状態から、胃腸の健康をチェックしてみましょう。

●食習慣
□冷たい飲み物や食べ物が好き
□他人よりも食べるのが早い
□つい食べ過ぎてしまうことが多い
□揚げ物や脂の多い肉類など、脂っこい食事が好き
□ちょこちょこと食べ物を口にしてしまう

●心身の状態
□吹き出物ができるなど肌の調子がよくない
□下痢や便秘、お腹が張ることが多い
□悩みごとや心配ごとがある
□イライラすることが多い
□睡眠不足が続いている

それぞれの項目に2つ以上チェックが入った場合は、自覚症状が特になくても、胃腸の調子が悪い状況です。以下を参考に、心身を整えるセルフケアを始めましょう。

胃腸の調子が悪いと、肌が老化するって本当?

食べ物の栄養は胃腸で消化・吸収された後、血液にのって全身の各細胞へ送られていきます。肌細胞にもしっかりと栄養素が行き届くことで代謝が促進され、肌の健康が保たれています。ところが胃腸の働きが悪いと、食事で摂取した栄養がうまく消化・吸収されません。全身の細胞にも行き届かなくなり、細胞の栄養不足から顔に吹き出物ができたり、乾燥肌やくすみなど肌の老化が進む原因の1つにもなります。

食べ物の栄養が肌に届くまで

胃腸の働きに大きく影響するのが食習慣です。上のチェックリストで挙げた食習慣は、いずれも胃腸への負担が大きく、消化・吸収力の低下にもつながります。例えば、他人よりも食べるのが早い人は、よくかんでいない可能性が大。口の中で食べ物が咀嚼不十分なまま胃に送られるため、胃の負担が大きくなってしまいます。食べ過ぎや脂っこい食事は、胃液に含まれている胃酸の分泌を過多に。胃粘膜を荒らし胃の不調をもたらします。
女性によく見られるのが、3食以外にもちょこちょこと食べてしまう間食です。胃が休みなく働いた結果、胃の働きが低下。胃とつながる腸の負担が増えるといった悪い連鎖を招いてしまいます。

近年では、心身の健康に深く関わる器官として腸が注目されていますが、腸の健康を保つためには、腸より手前にある消化管、胃の働きを整えることも大切です。

空腹時の「グーッ」が老化予防に!?

胃から分泌されるホルモン「グレリン」は、老化予防のカギとなる細胞中の「ミトコンドリア」を元気にして増やす働きがあることから、アンチエイジングにつながるホルモンとして注目されています。空腹時にお腹が「グーッ」と鳴るのは、グレリンがよく分泌されている証拠。しっかりとお腹が空いてから食べる習慣が、老化予防にも効果的なのです。

空腹時のグーッ

ストレスが原因で胃腸の調子が悪くなるのはなぜ?

胃腸の働きは自律神経でコントロールされています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つはシーソーのようにバランスを保ちながら働いています。ところがストレスを受けると、このバランスが崩れ、個人差や状況によって交感神経と副交感神経のどちらかが過剰に反応する状態に陥ってしまいます。
交感神経が優位になり過ぎると、血管が収縮して胃の運動が弱まり、胃液の分泌が低下。胃もたれや食欲不振などの症状が現れます。胃につながる腸でも蠕動運動の働きが弱まります。

一方、副交感神経が優位になり過ぎると、胃液の分泌が増加。胃酸の分泌が過剰になるため胃粘膜が荒らされ、胃痛や胸やけ、吐き気などの症状が起こります。腸の蠕動運動も活発になり、その状態が続けば下痢に傾きます。

ストレスと胃

胃腸の働きは自律神経を介して、ストレスの影響を大きく受ける宿命にあります。ストレスを原因に、下の表のような病気につながる可能性もあります。ストレスケアを習慣にしていきましょう。


ストレスが影響を及ぼす胃腸の病気

ストレスケアにおすすめの、自律神経を整える「呼吸法」

私たちは少なからず日々ストレスを受けながら過ごしています。仕事や人間関係から生まれる精神的なストレスの他に、気圧や気温の変化など環境的な要因から無自覚に受けているストレスもあります。ストレスは原因を取り除くのが一番ですが、自分ではどうにもならないことも多くあります。
自分でできるストレスケアとしておすすめなのが、自律神経のバランスを整える「2対1呼吸法」(下図参照)です。副交感神経の働きは加齢と共に低下するため、意識的に高める必要があります。もちろん胃腸の働きを整えるのにも有効です。

「2対1呼吸法」は寝る前に行うのがベスト。眠りにつきやすくなるメリットもあるので、毎日の習慣にしていきましょう。この呼吸法は瞑想と同じ効果もあるので、気持ちを落ち着かせたい時に実践するのもよいでしょう。

2:1呼吸法

胃腸に負担をかけない食習慣と、腸マッサージで胃腸を元気に

胃腸の働きをよくするためには、食習慣を見直して胃腸の負担を減らすことが重要です。食事では次のことを意識しましょう。

  • よくかんでゆっくり食べる
  • 腹7、8分目を心がける

規則正しく食べる習慣は大切ですが、お腹が空いていないのに時間がきたら食べるのは避けたいもの。お腹が空いていなければ、食事を軽くするなどして調整しましょう。脂肪の多い物、冷たい飲食物、辛い物、塩辛い物、カフェインやアルコールなど刺激の強い物、食品添加物を使った加工食品なども、胃に負担がかかるので、摂り過ぎないようにしましょう。

また、下記の「腸マッサージ」を行えば、外側から腸が刺激され、胃腸の活性化が促されます。腸マッサージは、胃もたれやお腹の張り(膨満感)にも有効です。ただし、食後すぐに行うのはNG。食後30分ほど経ってから行うと、胃腸の働きを助けてくれます。

腸マッサージの方法

美肌のために、食物繊維と発酵食品をしっかり摂ろう

腸内環境を整えることは健康な肌づくりに欠かせません。便秘になると、腸内に便が長く留まることで腐敗が進み、有害物質を発生。その有害物質が血液にのって肌へも送られるため、吹き出物などの肌トラブルが起こりやすくなります。一方、腸内環境がよければ、食べ物の栄養もしっかりと吸収され、特別なケアをしなくても肌の健康を保つことができます。
日々の食事では下記のポイントを押さえましょう。30~40代女性の食物繊維摂取量は1日約13グラムと、目標に達していません。ヨーグルトを食べる時にはドライフルーツをプラスしたり、白米にもち麦を加えたりし、食物繊維が多い食材を、毎食少しずつプラスしていくとよいでしょう。

【ポイント1】食物繊維は1日20~25gを目標に摂取

腸内環境を整える食事ポイント1

【ポイント2】発酵食品を毎日2品以上食べる
腸内細菌の多様性を維持し、腸内環境を整えるためには2種類以上摂ること。

腸内環境を整える食事ポイント2

【ポイント3】白砂糖をオリゴ糖に替える
オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖をサポートする。血糖値の急上昇を抑えるので、肌老化につながる糖化対策にも。

腸内環境を整える食事ポイント3

美肌になるスキンケアは、洗い過ぎないことが大切

腸内に様々な菌がすみついているのと同じように、皮膚にも多くの常在菌がすんでおり、共生しながら肌の健康を保っています。常在菌の中でも「表皮ブドウ球菌」には、皮膚のバリア機能を高めたり弱酸性に保ったりする重要な働きがあります。
毎日のスキンケアでは、この表皮ブドウ球菌を減らさないことが大切。それには一にも二にも洗い過ぎないことです。強い洗顔料を使ったり、1日に何度も洗顔したりするのは控えましょう。朝は基本的に洗顔料を使わず、ぬるま湯で流すだけでよいでしょう。

洗顔料はよく泡立ててから使う

美肌づくりには、心の持ちようも大切です。ポジティブな気持ちで自分と向き合ってみてください。


この記事はお役に立ちましたか?

今後最も読みたいコンテンツを教えてください。

ご回答ありがとうございました

監修プロフィール
小林メディカルクリニック東京院長 こばやし・あきこ 小林 暁子 先生

1996年順天堂大学医学部卒業。同大学医学部附属順天堂医院に勤務。2006年便秘外来、皮膚科、女性専門外来など全身の不調に対応するクリニックを開院。便秘外来では、1万人以上を診療し、高い実績を上げている。

監修プロフィール
小林メディカルクリニック東京院長 こばやし・あきこ 小林 暁子 先生

1996年順天堂大学医学部卒業。同大学医学部附属順天堂医院に勤務。2006年便秘外来、皮膚科、女性専門外来など全身の不調に対応するクリニックを開院。便秘外来では、1万人以上を診療し、高い実績を上げている。

健康情報サイト