「打撲」や「ねんざ」は、スポーツはもちろん、日常生活の中でも起こりやすいケガです。迅速な応急手当をすることで、痛みを和らげてケガの悪化を防ぐことができます。基本的な処置である「RICE処置」の方法と、エコバッグやストールなど身近な物を使って行う応急手当の方法を解説・実演します。
打撲・ねんざは脱臼や骨折の可能性もあることを念頭に置きましょう。
放っておくと関節が戻りにくくなったりするので応急処置の後は速やかに医療機関を受診することが大切です。
出血を伴うなどの緊急性が高い場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
打撲・ねんざの応急手当の基本はRICE措置です。
患部の保護と痛みを和らげる効果があり重症化を防ぎます。
RICEのRはRest、安静にする。
ケガをした部位が安静になるよう痛みが和らぐ姿勢をとってもらいます。
IはIcing、冷やす。
氷のう、冷却スプレー、保冷剤などを使って患部を冷やします。
内出血やはれを防ぎ痛みを和らげる効果があります。
Cはcompression、圧迫・固定です。
患部が動かないように、圧迫したまま上下の関節まで固定します。
固定や圧迫には身近なもので代用が可能です。
例えば傘や雑誌、新聞紙、段ボール、杖、定規、割り箸などが副子として使えます。
また副子を支えたりケガをしている手や足を持ち上げるのにストールやエコバッグ、タオルなどを状況に応じて活用してください。
ケガをした部位を固定する添え木のポイントとして、上下の関節を含めることのできる長さ、強さ、幅、があることが大切です。
Eはelevation、高く上げる。
患部を心臓より高くすることがポイントです。
血流を抑えて内出血やはれを防ぐ効果があります。
rice 処置の後に歩けないはれがひどい、変形してきた、痛みが強い、痛みが続く、皮膚の色で変色するなどの症状があった場合にはすぐに医療機関を受診してください。
ねんざをしやすい手首の固定方法を紹介します。
普段持ち歩いていることが多い折り畳み傘とエコバッグを使って固定してみましょう。
折りたたみ傘の長さを調整しタオルを巻きます。
布をひも状に畳んで患部の腕に固定します。
左右の端を切ったエコバッグの持ち手を首にかけます。
腕を入れて手が下がらないように、持ち手の長さを首の後ろで調整します。
血流確認のため指先は見える状態にしておきましょう。
足首も捻挫をしやすい部位です。
ストールを使って足首を固定してみましょう。
靴をはいたまま固定できるので、外出時や病院へ行く時の固定として役立ちます。
ストールの中央を靴の上から土踏まずに当てます。足首の後ろで交差させて前に回します。
両端を前で交差させて圧縮比の横側のストールの下から通します。
引き締めながら足首の前で固く結びます。ストールの端は踏まないように入れ込みます。
子供の骨格は発達途中です。
ねんざがもとで関節が変形したり運動機能に悪影響が出るようなこともあるので軽く考えて放置せずに必ず受診してください。
打撲・ねんざはすでに骨折、脱臼しているかも、を念頭に置き、応急処置の後は必ず受診しましょう。