低血圧の不快症状をいくつか抱えているようですね。「子どものころから朝が苦手だった」という人や、やせ型で筋肉量が少ない人は体質的なものと考えられますが、ライフスタイルにも問題がありそうです。生活リズムを整えるとともに、血圧が下がりやすい状況を知り、セルフケアで症状の軽減に努めましょう。
生活習慣の乱れは、血管の働きを調節している自律神経のバランスを崩し、低血圧の症状を強くします。血圧が低めの人は、次のことを心がけましょう。①食事はタンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に含んだバランスのよいものを、規則正しく摂る②薄味のものばかりでなく、味つけのしっかりしたものも適度に摂る③水分を十分に補給する④適度な運動を習慣にし、体を活性化させる⑤就寝と起床の時間を一定させる⑥上手に気分転換して、ストレスを解消する。また、暑い日や湿度の高い日、緊張が解けてホッとしたとき、食事の直後、入浴時、大量に汗をかいたとき、女性の場合は月経中などにも血圧が下がりやすくなるので、無理をしないことが大切です。ほかの病気が原因で低血圧と似たような症状が現われることもありますから、だるい、疲れやすいといった症状が続く場合は、一度病院を受診して、きちんと原因を確かめるようにしてください。
大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業。医学博士。スウェーデンのリンショッピン大学臨床生理学教室客員研究員、大阪医科大学小児科助教授、大阪医科大学附属病院発達小児科科長、准教授を経て、2014年にOD低血圧クリニック田中を開院。『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』『起立性調節障害がよくわかる本』など起立性調節障害に関する著書多数。