Vol.6

髪・肌のエイジングケア

髪や肌のコンディションは見た目年齢に影響し、悩みの種となります。加齢による変化を知り、美しさを保つセルフケアに取り組みましょう。

女性ホルモン・成長ホルモンとの関係が深い、女性の髪や肌のエイジング

女性の髪と肌に大きな影響を与えるのが、女性ホルモンや成長ホルモンのバランスです。下図のように、加齢と共にこれらのホルモンは減少していきますが、中でも女性ホルモンのエストロゲンは、40代後半から急減。エストロゲンは、肌や頭皮のコラーゲンやヒアルロン酸などの生成を促進して皮膚の弾力などを保ったりする働きがあり、減少すると、肌のシミやシワ、たるみの原因となり、髪もハリやコシ、ツヤを失っていきます。

20代

女性ホルモンの分泌量がピークを迎え、太くて長い髪を育む成長ホルモンの分泌も多い。肌は皮脂の分泌量が多く、ニキビや毛穴の汚れといったトラブルが多い。

30代

妊娠、出産などによりホルモンバランスや栄養状態が変化。細くなったり、抜けやすくなったりするなど髪質の変化を感じるようになる。肌の水分量や皮脂量も低下し始め、くすみ、ハリや弾力の低下を感じる。

40代

女性ホルモンや成長ホルモンの分泌量が減少。短く細い髪や白髪が目立つようになり、ツヤが失われる。肌は乾燥しやすくなりシミやシワが気になりだす。ほうれい線やたるみも現れる。

50代

女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、閉経を迎える。白髪が増え、髪のボリュームダウンが気になるように。肌もシミが増え、つやがなくなり、シワが深くなる。まぶたにもたるみが現れ始める。

白髪や薄毛などの髪のエイジングには「栄養不足」も関係

髪の色は毛根部にある「メラノサイト」という細胞でつくられた「メラニン色素」で着色されており、メラノサイトが血流悪化などによりダメージを受けるとメラニン色素がつくれなくなり、白髪になってしまいます。白髪の原因としては、加齢や遺伝的要因の他に、栄養不足も関係するとされます。不足しがちな栄養素として挙げられるのが、メラノサイトに酸素を届け、頭皮の代謝を高める「鉄」、髪の成長をサポートする「亜鉛」、髪の主成分となる「タンパク質」の3つ。これらの栄養素は髪の健康にとって欠かすことができません。ストレスや貧血で頭皮の血行が悪くなることも白髪の原因となってしまいます。

女性の薄毛は、男性の薄毛と違って遺伝的要素の影響は少なく、白髪と同じく頭皮や髪の「栄養不足」が影響しているケースが多く見られます。先にも述べた髪の健康に不可欠な「鉄」「亜鉛」「タンパク質」の3つの栄養素をしっかり摂るようにしましょう。薄毛の場合は加えて、女性ホルモンの変化も影響します。髪の太さや長さにかかわるプロゲステロンが減少する30代後半からは短くて細い髪が増え始め、40代に入るとエストロゲンの減少により、頭皮がやせて毛根に歪みが生じ始めます。歪んだ毛根から生える髪はうねりやすく、ハリやコシのない髪質になることで、ボリュームダウンしてしまいます。なお、女性の薄毛は分け目などを中心に、全体的に毛量が少なくなるのが特徴です。

気になるシミの予防・改善に。食事で肌のターンオーバーを促そう!

肌の老化現象の代表格であるシミは、紫外線のうちUV-Bが表皮に炎症を起こし、それによりメラニン色素が増えることで発生します。また、紫外線のUV-Aは、UV-Bでできたメラニン色素を黒化させる他、肌の奥にある真皮まで届いてコラーゲンやエラスチンを分解。肌の乾燥や老化に関係します。シミ対策としては、日焼け止めを正しく塗って紫外線をカットすることが大前提となりますが、シミになりにくくするためのインナーケアも欠かせません。

肌は一定のサイクルで生まれ変わっています。通常は、ターンオーバーによってシミの原因となるメラニン色素を含む細胞も剥がれ落ちるのですが、このターンオーバーは、加齢と共に遅くなる傾向にあり、それによってシミになりやすくなってしまいます。

そのため、シミの予防・改善にはターンオーバーを整えることも重要に。ターンオーバーのサイクルを整える「ビタミンA」、肌荒れを防ぐ「ビタミンB群」、肌をダメージから守り美白をする「ビタミンC」、肌の血行を促す「ビタミンE」、細胞の増殖に関わる「亜鉛」や「鉄」をしっかり摂るようにしましょう。調理の際は、ビタミン類は加工や調理で壊れてしまう物が多いため、フレッシュな食材を手早く調理するよう心がけましょう。

髪の老化予防&顔のたるみケアにおすすめの「頭皮マッサージ」

健康な髪は、健康な頭皮によって育まれます。頭皮マッサージをすると頭皮の血行がよくなり、頭皮や髪に栄養が行き届きやすくなります。また、頭皮マッサージは顔のたるみケアにも有効です。頭と顔の筋肉や皮膚はつながっており、頭皮が硬いと組織が下垂し、血行が悪くなって顔にたるみやむくみが生じます。イラストを参考に、毎日のシャンプーのついでに行いましょう。

①こめかみより少し上から、手のひらを使ってぐるぐると回しながら頭頂部まで頭皮をほぐす。

②生え際から後頭部に向かって、指の腹を使って頭皮をもみほぐす。