子どもの発熱・咳・嘔吐などの不調、いざという時の対処と心構え
子どもは、発熱や咳、嘔吐など、さまざまな体調不良を起こします。小さな子どもは自分の不調をうまく伝えられないこともあるため、普段との違いを周囲の大人が気づいてあげることが大切です。いざという時に慌てないよう、子どもの不調のサインや家庭でできるケアについて知っておきましょう。
1976年慶應義塾大学医学部卒業。足利赤十字病院小児科副部長・部長、国立霞ヶ浦病院小児科医長、国立病院東京医療センター小児科医長などを歴任。2010年に慶應義塾大学医学部感染制御センター教授/センター長、13年に慶應義塾大学医学部感染症学教室教授を経て、17年より現職。
子どもの病気の発見には、「いつもと違う」という周囲の大人の気づきが重要です。
機嫌のよしあしや食欲の有無は、子どもが病気にかかっているかどうかの大きなバロメーターです。発熱や咳、嘔吐など分かりやすい症状だけでなく、元気がない、顔色が悪い、食欲がないといった変化にも注意しましょう。元気がよい時の状態をしっかり把握し、変化を見逃さないことが大切です。
体をすり寄せて甘えたり、元気なくゴロゴロとしているような時は体調が悪い場合も。どこか悪いところはないか、子どもに優しく聞いてみましょう。
●元気がない
普段よりおとなしかったり、ゴロゴロしている時は要注意です。
●顔色が悪い
健康状態は顔色にも現れます。変化を見逃さないようにしましょう。
●食欲がない
食欲不振は不調のサインや病気の前触れの可能性があります。
●甘える
不調の時には体をすり寄せてきたり、抱っこをせがんだりすることがあります。
子どもが病気になってしまった時は、冷静な対処をしましょう。発熱や咳、嘔吐など、一見かぜのように見える症状でも、別の病気が隠れていることがあります。また、大したことがなさそうに見えても、命にかかわる重篤な病気のこともあれば、反対に激しいけいれんなど重篤に見えても、病気としては軽いといったこともあります。
いずれにしても、子どもの病気は見た目だけでは判断しにくいものです。症状だけでむやみに判断せず、いつもと様子が違う場合や不安な場合は、医師や薬剤師などの専門家の判断を仰ぐことが大切です。
●休日・夜間診療を行う医療機関を調べておこう
子どもの病気は予兆もなく、突然やってきます。いざという時に慌てないように、休日・夜間診療を行う最寄りの医療機関を把握しておきましょう。情報は各自治体の広報誌・ウェブサイトに掲載されています。
子どもに発熱や咳、嘔吐などがある時は、症状に合わせて過ごしやすい環境を整えてあげましょう。子どもの様子をよく観察しながら、十分な休息や水分補給などを心がけることも大切です。
ここでは、子どもによく見られる症状ごとに、家庭でできるケアを紹介します。
熱がある時は部屋の温度を高くし過ぎない、咳が出ている時は室内の換気と加湿をこまめに行うなど、寝ている環境を過ごしやすくしてあげることも大切です。
●子どもの咳のケア
子どもに咳が出ている時は、楽に呼吸できる姿勢をとらせ、室内が乾燥し過ぎないように換気と加湿をこまめに行いましょう。咳の程度だけでなく、呼吸が苦しそうではないか、発熱や鼻水など他の症状がないかも確認します。
・縦に抱き背中を軽くさする
・上体を起こし呼吸を楽にしてあげる
・部屋を乾燥させない
→咳について詳しく見る
咳の症状から疑われる疾患
・かぜ
・RSウイルス感染症
・マイコプラズマ肺炎
・喘息(ぜんそく)
●子どもの発熱時のケア
子どもが発熱した時は、体温だけでなく、元気や食欲があるか、水分が摂れているか、呼吸の様子に変化がないかなども確認しましょう。子どもは体温調節機能が未熟なため、普段から平熱を把握しておくことも大切です。
・部屋の温度を高くしすぎない
・熱が上がり切ったら薄着に
・水分補給は十分に
・汗をかいたらこまめに拭く
●子どもの嘔吐のケア
・横向きに寝かせる
・吐き気が治まったら少量ずつ水分補給
・衣類やおむつを暖める
子どもが急に発病した時の応急手当てのために、常備薬は必要です。子ども用のかぜ薬、解熱鎮痛薬、整腸薬、皮膚のかゆみや炎症を抑える塗り薬の他に、冷却シート、体温計、スポーツドリンクなども備えておくとよいでしょう。薬を選ぶ際は、薬局で薬剤師と相談の上、購入しましょう。
●子どものために備えておきたい薬&アイテム
・総合感冒薬
・解熱鎮痛薬
・整腸薬
・皮膚の塗り薬
・冷却シート
・体温計
・スポーツドリンク
など
せき、鼻水など、かぜの諸症状を緩和する子ども用のかぜ薬や、用法・用量を調節することで、家族で使えるかぜ薬もあります。
●子どもが好きなのはおいしい薬!?
味がよい薬ほど子どもの服用率は高くなります。苦い薬は砂糖やゼリー、プリンなどに混ぜて与えてもよいでしょう。ただし薬を混ぜるのに好ましくない食品もあります。あらかじめ医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
【目次】
[特集]子どもの病気とセルフメディケーション(TOPはこちらをクリック)
[1]子どもの体を知っておこう
[2]子どもの病気の特徴
[3]いざという時の対処と心構え
[4]子どもがかかりやすい主な病気