内臓脂肪と皮下脂肪 あなたのタイプは?

[1]内臓脂肪と皮下脂肪 あなたのタイプは?

[1]内臓脂肪と皮下脂肪 あなたのタイプは?

「最近、太ってきたな……」と感じている方、体のどこがどのように太ってきましたか?

体の中で脂肪がつきやすいのは内臓の周りのお腹の空洞(腹腔:ふくくう)と皮膚の下の2カ所で、内臓の周りにつく脂肪を「内臓脂肪」、皮膚の下につく脂肪を「皮下脂肪」といいます。

内臓脂肪が多いのか、皮下脂肪が多いのかは体型でおおよそ知ることができ、その特徴から内臓脂肪型の肥満は「りんご型肥満」、皮下脂肪型の肥満は「洋なし型肥満」とも呼ばれます。まずは、あなたの太り方のタイプを簡単にチェックしてみましょう。



あなたの太り方は、内臓脂肪型(りんご型)? 皮下脂肪型(洋なし型)?

あなたの太り方のタイプは、内臓脂肪型(りんご型)でしょうか? 皮下脂肪型(洋なし型)でしょうか?
お腹に軽く力を入れてから、おへそ周りのお肉(脂肪)をつかんでみてください。ほとんどつかめない人は「内臓脂肪型(りんご型)肥満」、しっかりつかめる人は「皮下脂肪型(洋なし型)肥満」の可能性があります。それぞれの太り方の特徴を、チェックしてみましょう。

内臓脂肪型肥満と 皮下脂肪型肥満を説明するイラスト。あなたはどちらのタイプ?お腹に軽く力を入れ、おへそ周りの脂肪がつかめるかチェック。つかめないなら内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)、つかめるなら皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)となります。内臓脂肪型肥満の特徴は、お腹がポッコリ出ている、男性・閉経後の女性に多い。皮下脂肪型肥満の特徴は、お尻、太もも、腰回りに脂肪がついている、女性に多い。

●お腹の脂肪がつかめない→内臓脂肪型(りんご型)肥満タイプ
□お腹がポッコリ出ている
□男性や閉経後の女性に多い
□お腹は出ているが、下半身の太さはそれほど気にならない
□若い頃はやせていた

●お腹の脂肪がつかめる→皮下脂肪型(洋なし型)肥満タイプ
□お尻、太もも、腰回り(下腹など)に脂肪がついていて、下半身が太め
□女性に多い
□太りやすくやせにくい
□若い頃から下半身が気になる体型だった
※皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪もたまっていることがあります。

内臓脂肪と皮下脂肪では、病気のリスクが異なります

内臓脂肪と皮下脂肪は、脂肪がつく場所が違うというだけではなく、実は病気のリスクや燃焼のしやすさが異なります。どんな違いがあるのか見ていきましょう。

内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の脂肪のつき方の違い

●内臓脂肪とは?
内臓脂肪は腹筋の内側、消化器のほとんどが収まるお腹内部の空洞「腹腔」内につく脂肪の総称で、主に腸間膜(ちょうかんまく:小腸や大腸を包んでいる膜)の表面などにつきます。内臓脂肪型(りんご型)肥満の人が、お腹に力を入れるとおへそ周りの脂肪がつかめないのは、脂肪の外側を腹筋が取り囲んでいるからです。内臓脂肪は、男性や閉経後の女性につきやすい傾向があります。
内臓脂肪は、過剰に蓄積すると「生活習慣病」になるリスクが高まります。内臓脂肪が生活習慣病を引き起こすメカニズムはこちらでご紹介していますが、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて命にかかわる病気を引き起こしやすい脂肪だということを知っておきましょう。
古くから農耕民族であった日本人など東アジアの人々は、狩猟民族で肉食が中心だった欧米人に比べて、摂取したエネルギーを皮下脂肪として蓄える能力が低く、より危険な内臓脂肪として蓄積しやすい傾向があります。そのため、軽度の肥満でも病気を起こしやすいのです。しかし、内臓脂肪はたまりやすい一方で、エネルギーとして率先して燃焼されるため、減らしやすい脂肪でもあります。

●皮下脂肪とは?
皮下脂肪は、皮膚のすぐ下につく脂肪です。特にお尻や太もも、腰周り(下腹)など下半身につきやすく、女性や子どもに多い傾向があります。皮下脂肪は腹筋の外側についているため、皮下脂肪型(洋なし型)肥満の人は、お腹の脂肪がつかみやすいのです。
皮下脂肪は内臓脂肪のように生活習慣病につながるリスクは少ないですが、蓄積し過ぎると、重みで膝や腰などの関節痛になったり、首周りにつくと気道を狭めて睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたりします。
皮下脂肪は、内臓脂肪に比べて“たまりにくく、減らしにくい脂肪”で、ダイエットをしてもなかなか落ちないという特徴があります。

30代から内臓脂肪が増える理由

安静にしていても、生命活動のために消費されるエネルギー量のことを「基礎代謝量」といい、基礎代謝量は加齢によって徐々に低下していきます。若い頃は基礎代謝量が高いため、何もしなくても食事で摂ったエネルギーを消費しやすいのですが、30代頃からは、若い頃と同じ量の食事を摂っているとエネルギーが消費されずに余ってしまい、まずは体内につきやすい内臓脂肪から蓄積されていきます。これがいわゆる「中年太り」です。
女性は、女性ホルモンのエストロゲンの働きによって皮下脂肪がつきやすく、内臓脂肪はたまりにくいという特徴があります。しかし、女性ホルモンが減る閉経後は、内臓脂肪が増えやすくなります。