忙しくてもできる肥満改善 ミニ習慣

[8]忙しくてもできる肥満改善 ミニ習慣

[8]忙しくてもできる肥満改善 ミニ習慣

肥満は、日々の太りやすい生活習慣が少しずつ積み重なったものです。逆に、生活習慣をほんの少しやせるほうにチェンジするだけで、減量のサイクルは回り出します。忙しくて時間が取れない人は、「習慣をちょっと変える」ことをしてみましょう。すぐにできて効果的な、10のミニ習慣をご紹介します。



忙しくてもできる肥満改善の例:ごはん大き目一口減らし、洗濯をしながらスクワット等を取り入れてながら運動をするイメージイラスト、

肥満改善ミニ習慣① 3%やせるだけで数値は改善! 体重のマイナス3%を計算してみよう

ダイエットは目標の決め方が大切です。短期間で大幅な減量を目指すのはリバウンドのもと。内臓脂肪は率先してエネルギーとして使われるため、実は体重の3%(※)を減らすだけでも、血糖値や血圧、血中脂質などの数値は改善されることが分かっています。3%というのは、体重80kgの人なら2.4kg。これならできそうだと思った方も多いのでは?
1カ月1kgを上限に、3カ月から6カ月かけて減らすことを目標にしましょう。

※出典:厚生労働科学研究「生活習慣病予防活動・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」


肥満改善ミニ習慣② 毎日同じ時間に体重計に乗って記録しよう

乗るだけで生活を振り返ることができ、意識が変わるのが体重計です。体重計に乗る習慣をつけ、グラフにするなどして毎日記録しましょう。食事内容や飲酒量、歩数など運動の記録も簡単に書いておくと、体重と生活パターンの相関関係が分かり、改善点が見つかります。記録をつけるのが面倒な人は、乗るだけで数値を記録する機能があったり、スマートフォンのアプリと連携してグラフ化してくれたりする体重計(体組成計)もあるので、活用してみるのも一案です。


肥満改善ミニ習慣③ ごはん大きめ1口分を減らしてみよう

ごはんなどの主食を「大きめ1口」分に当たる50gほど減らしてみましょう。ごはん50gは約80kcalです。1日3食でごはんを50gずつ減らせば、1日の摂取エネルギーを約240 kcal減らせる計算になります。脂肪1kgは約7200 kcal。これを30日で割ると約240 kcalなので、毎回食事を1口分減らすだけで、1カ月で1 kg減る計算になるのです。これならあまり我慢せずに続けられます。


肥満改善ミニ習慣④ 食事は野菜から食べよう

人は血糖値が下がると空腹を感じ、食べると血糖値が上がって空腹が収まります。しかし、短時間にたくさん食べると血糖値が急激に上がってしまい、それを下げるためのホルモン「インスリン」が多く分泌されて、糖が細胞内に取り込まれるため、体重が増加します。さらに血糖値が急降下するため、さっき食べたばかりなのに、またすぐに空腹になってしまう……という負のサイクルに! そこで食べる順番を「野菜→肉・魚→ごはん」の順に変えてみましょう。野菜の水溶性食物繊維が水に溶け、その後に食べた物の吸収が穏やかになるため、血糖値が緩やかに上がって緩やかに下がり、空腹が長時間抑えられます。消化吸収されやすい炭水化物の主食(ごはん、パン、めん類)は最後に食べるようにします。


肥満改善ミニ習慣⑤ よく噛んで食べよう

よく噛んで食べると脳の満腹中枢が刺激され、食事量を減らしても食欲が満たされます。1口につき30回噛むとよいとされていますが、毎回30回噛むことは難しいので、1回ごとにいつもより余分に5回多く噛んでみるなど、今より多く噛むことを意識しましょう。1口ごとに箸を置いたり、水を飲んだりするのもおすすめです。


肥満改善ミニ習慣⑥ 食事回数も料理も「小分け」が大事。「2食→3食」「一品料理→幕の内」を選ぼう

朝食を抜いた1日2食は、ドカ食いを招きます。寝る前に食べたものは吸収されやすいため、特に夕食の量が増えると太りやすくなります。2食でたくさん食べるより、簡単な朝食でいいので3食にしましょう。仕事で帰宅や夕食が遅い人は、おにぎり1個でも夕方に食べる「分食」がおすすめです。
また、炭水化物の量が多い一品料理のラーメンや丼物より、主食の量が多過ぎず、様々なおかずから栄養が摂れる幕の内弁当や定食など、多品目が小分けになったメニューを選ぶようにしましょう。外食やコンビニでカロリー表示を見るくせをつけるのも大切です。


肥満改善ミニ習慣⑦ 1日の推奨量が簡単に分かる「手ばかり」を覚えよう

食事は、ただ量を減らすだけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養はしっかり摂りながら減らす「食事の質」を落とさないことが大切です。細かいカロリー計算は難しくても、1日の推奨量が簡単に分かる「手ばかり栄養法」を知っておくと、どれだけ食べたかが分かって便利です。

一日に食べる量を「手ばかり」で表現。しっかり食べるのは、肉・魚・卵・豆腐をあわせて両手一杯。たっぷり食べるのは、緑黄色野菜を両手一杯と、その他の野菜を両手二杯。ほどほどに食べるのは、果物類で人差し指と親指の輪の中に入るくらいの量で。そのほか、ご飯は、毎食軽く一杯~一杯半、いもはジャガイモ中1個、牛乳200ml。食べる量に気を付けるのは菓子で、次の三つのどれか一つ。和菓子は人差し指と親指の輪の中に入るサイズ、スナック菓子、洋菓子は片手の手のひらに乗る量に収めましょう。

肥満改善ミニ習慣⑧ おやつや甘い飲み物を無意識に食べない

無意識に摂る間食は、確実に摂取エネルギー量を増やします。口寂しくて何となくチョコを食べた、仕事をしながら甘いカフェオレをよく飲む……という人は、1日に食べた物を全部書き出してカロリーを計算してみると、意外と食べたり飲んだりしていることに驚くかもしれません。
間食をやめるだけでやせることができます。どうしても食べたい時は「手ばかり」の量を超えないように意識して食べ、飲み物は無糖のものを選びましょう。


肥満改善ミニ習慣⑨ 座りっぱなしの時間を減らし、ちょこまか動こう

コロナ禍のリモートワークで太ってしまった経験をもつ人もいるでしょう。「座っている時間が多くなるほど太る」という研究結果は多くあります。デスクワークなら30分に1回はコピーをとりに行く、別の階のトイレに階段で行ったりストレッチをしたりするなど、できる範囲で定期的に体を動かしましょう。家ではテレビなどのリモコンは使わずに歩いてスイッチを入れる、掃除や料理などの立ち仕事はあえて工程を増やして行うなど、ちょこまかと動くことが大切です。


肥満改善ミニ習慣⑩ ながら運動をしよう

忙しい人が、ジム通いなど運動のためだけの時間を捻出するのは大変です。一方で、1日10分の軽い運動でも体重が減らせるという研究があります。通勤の電車内でつり革につかまって、かかとの上げ下ろしをする、駅では階段を使う、洗濯物を干しながらスクワットをする、テレビを見る時は座らずに踏み台昇降をする、お風呂に浸かりながら上体ひねりや背中のストレッチをするなど、生活時間を変えずにできる「ながら運動」を続けてみましょう。


内臓脂肪を減らし、肥満を解消していくために極端な食事制限や激しい運動をする必要はありません。少しだけ生活習慣を改善し、体重をゆっくり落としていくこと。それが、肥満が招く11の健康障害を防ぎ、一生続けられる健康的なダイエットです。