一言で「かぜ」といっても、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、発熱・寒気、咳・痰など、人によって目立つ症状が異なります。症状が出る部位に違いが生じる原因や、症状別のかぜの対処法とセルフケア、市販薬を選ぶ際に役立つ有効成分などについて解説します。
神戸大学医学部医学科卒業。藤田医科大学病院の救急総合内科にて救命救急・病棟で勤務。2020年「すべての人に正しい予防医学を」という理念のもと、現在の登録者数は110万超えの大人気Youtubeチャンネル『予防医学ch』をスタート。22年、医療×IoTの実践を目指すオンラインクリニック『ウチカラクリニック』 https://uchikara-clinic.com/を開設。認定産業医。労働衛生コンサルタント。
「鼻だけつらい」「のどだけ痛い」「寒気から始まった」など、最初に現れるかぜの症状は人によって異なります。そのため、「鼻かぜ」「のどかぜ」などと呼ばれることがあります。しかし、「これらは正式な病名ではありません」と森先生。症状がどこに出るかは関係なく、多くは同じ「かぜ症候群(急性上気道炎)」に含まれます。
●かぜ(かぜ症候群)とは
幾つかの症状がまとまって現れる状態を「症候群」といいます。主に鼻やのどなど上気道に起こる急性の炎症の症状をまとめて、「かぜ症候群」と表します。
かぜ症候群の原因の8~9割は「ウイルス」感染です。ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなど、原因となるウイルスは実に200種類以上あると考えられています。
病院では、症状によって「上気道炎」「感染性胃腸炎」などと診断され、原因のウイルスが特定できれば、「インフルエンザ」などの診断名がつきます。
なお、「かぜと診断すると、抗菌薬(抗生物質)の処方を希望される方は多いですが、かぜの原因のほとんどはウイルスです。細菌感染症の治療に効果がある抗菌薬は、かぜやインフルエンザなどのウイルス感染症には効果が期待できません」と森先生は注意を促します。
「人は一生のうちに200回かぜをひく」と言われます。これは通説ですが、人はなぜ同じような症状のかぜに、何度もかかってしまうのでしょうか? それは、一度感染すると特定のウイルスに対する抗体がつくられるものの、「ウイルスの種類がそもそも多い上に、原因となるウイルスの変異速度が速く、いわゆる“型”が変わってしまうからです」(森先生)。
また、ウイルス変異以外にも、もともと副鼻腔に膿がたまりやすい鼻の構造をしているなど、個人の体質や体格も、少なからず影響があることが分かっています。
<「鼻かぜ」「のどかぜ」は俗称>
先述のように、「鼻かぜ」「のどかぜ」は医学的には正式な病名ではありません。厳密にいえば、「鼻かぜ」は「急性鼻炎」、アレルギー症状があれば「アレルギー性鼻炎」、「のどかぜ」は「咽頭炎」という正式名があります。しかし、そうした病名が一般的に使われることはまれです。
また、かぜは最初に症状が目立つ部位によって、一般的に「鼻かぜ」「のどかぜ」などと呼び分けられていますが、実際は鼻→のど→咳といった具合に、症状が移っていくことも多いものです。
では、なぜ人によってかぜの症状に違いが出るのでしょうか。そこには、感染したウイルスの特徴や体の免疫反応などが関係しています。例えば、かぜを引き起こすウイルスには次のような種類があり、特徴や症状にもおのずと違いが表れます。
(1)感染したウイルスの種類の違い
かぜの原因となる代表的なウイルスには、ライノウイルスや季節性コロナウイルスなどがあります。また、インフルエンザやRSウイルス感染症などでも、発熱や鼻水、のどの痛み、咳など、かぜに似た症状が現れることがあります。
また、感染性胃腸炎に分類されるようなノロウイルス、ロタウイルスも、かぜのような症状を引き起こす場合もあります。
・ライノウイルス
「ライノ(rhino)」とはギリシャ語で「鼻」を意味します。このウイルスは鼻水が主な症状であることから、ライノウイルスと命名されています。大人の「鼻かぜ」の約30~40%は、ライノウイルスが引き起こすといわれています。
・季節性コロナウイルス
主に冬から春にかけて流行し、発熱、鼻水、のどの痛み、咳など典型的なかぜの症状を引き起こします。味覚障害、嗅覚障害を起こす可能性も。
・季節性インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することによって発症します。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的早い段階から現れるのが特徴です。普通のかぜと同じように、のどの痛み、鼻水、咳等の症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している人は細菌による肺炎を伴うなど、重症になるケースも。
・アデノウイルス
アデノウイルスは、発熱、呼吸器(上気道・下気道)、目(結膜)、腸(消化管)、泌尿器などに症状が出ます。夏かぜの原因となるウイルスとしても知られ、特に目ヤニや充血、まぶたの腫れなど、結膜炎症状が出やすくなります。50以上の型があり、感染力も強いため、何度もかかることがあります。乳幼児期に多く見られるのも特徴です。
・RSウイルス
2歳までにほぼ100%の子どもが感染するウイルス。大人は軽いかぜ程度で済みますが、初めてかかった乳幼児や高齢者は、気管支炎や肺炎を起こすなど、重症化することがあります。
・ノロウイルス
ノロウイルスは、小さな球形をしたウイルスで、非常に強い感染力をもっています。主な症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛、37℃から38℃の発熱など。通常、これらの症状が1日から2日続いた後、治癒します。また、感染しても発症しない人や、軽いかぜのような症状で済む人もいます。持病のある人や乳幼児、高齢者などは、脱水症状を起こしたり、症状が重くなったりするケースもあるので注意が必要です。
・ロタウイルス
ロタウイルスは、ノロウイルスの倍ぐらいの大きさで、直径約100nm(ナノメートル)、つまり1万分の1mmのウイルスです。感染者の下痢便1gの中には1000億から1兆個のロタウイルスが含まれているといわれています。便に含まれるウイルスの量が多いことで知られるノロウイルスと比べても、その100万倍ものウイルス量です。
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎は、乳幼児期(0~6歳頃)にかかりやすい病気です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。5歳までにほぼ全ての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。
(2)免疫反応の違い
同じウイルスに感染しても、人によって炎症の強さが異なるのは、免疫反応の個人差も影響しています。例えば、かぜをひくと「発熱しやすい人」「鼻水が多い人」など、その人がもつ免疫反応によっても、個人差が生じます。
(3)体調や基礎疾患の違い
睡眠不足や疲労、ストレスの有無、喫煙の有無なども、かぜのかかりやすさや、症状の出る部位に影響すると考えられます。他にも、年齢や持病の有無なども、個人差に関係する要因です。
<かぜの症状が、鼻からのどなどに移り変わるのはなぜ?>
かぜのウイルスは、目、鼻、口の粘膜から感染します。症状はウイルスに感染した部位に出るというわけではなく、最初は鼻水が出て、次にのどが痛くなり、最後に咳が出る…といったように、症状が移り変わっていくのが一般的です。これは、「連鎖のようなもの」と森先生。鼻やのどなどの入口から奥の気管支へウイルスが入り、肺まで達すると肺炎になります。他にも、鼻水がのどの奥にたれて咳を誘発したり、炎症が残り咳や鼻水が長引いたり、いろいろな連鎖のパターンがあります。
次に、「鼻」「のど」「熱」「咳・痰」の症状別に、かぜの特徴とセルフケアのポイントを解説します。
●主な症状
・鼻水…鼻の粘膜に異物がくっつくと、それを排出しようとして、粘液が多量に分泌されて起きる防御反応です。
・鼻づまり…炎症によって鼻の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなることで、鼻づまりが起きます。
・くしゃみ…鼻の粘膜に異物がくっつくと、粘膜の神経から脳と呼吸に使われる筋肉に伝わります。すると、筋肉が動いて強く息を吐き出し、異物を排出しようとする防衛反応が起こります。それがくしゃみです。
●なぜ鼻症状が出る?
ウイルスを排除しようとする防衛反応だと考えられています。鼻水やくしゃみで防衛してもウイルスが鼻に入り込み、鼻の粘膜に炎症が起こると鼻づまりの症状が出ます。
●かぜの鼻水の特徴は?
・ひき始め…ウイルスを洗い流そうと、サラサラとした水っぽい透明な鼻水が出ます。アレルギー性鼻炎(花粉症など)と見分けがつかないことも。
・ピーク…透明だった鼻水が白く濁って、粘り気のある状態に変わります。
・治りかけ…黄色や緑色っぽい、ドロッとした状態に変化します。これは、ウイルスと戦った免疫細胞の死骸などが混ざるためです。この状態が長く続く場合は、副鼻腔炎などが疑われます。
●鼻症状のセルフケア
・十分な水分補給…脱水症状を起こさないよう、こまめに水分を摂るようにします。
・加温・加湿…加湿器などを使って室内の気温と湿度を上げることも、有効なウイルス対策の一つになります。
・鼻を強くかみ過ぎない…強くかみ過ぎると、鼻の血管を傷つけてしまいます。
・十分な睡眠…よく寝て休息をとることが、かぜの一番の対策です。
・鼻うがい…下記参照
<鼻づまりは「鼻うがい」でスッキリ>
鼻うがいによって、鼻の中に侵入したウイルスや細菌、アレルゲン、鼻水などを洗い流し、鼻の粘膜を保湿することができます。
鼻うがいの手順
① 20~30℃のぬるま湯(できれば湯冷まし)250mLに対して塩を2g強の割合で生理食塩水を作る。
② 市販の鼻うがい専用容器や、長い管状の注ぎ口のついたボトル容器に入れる。
③ 前かがみになり、容器の先を片方の鼻の穴に当てて手で押し、「アー」と声を出しながら注ぐ。
④ 同様に反対の鼻の穴も行う。
※真水で行うと痛みを感じるので、必ず専用液か、0.9%生理食塩水を使用する。
※1日に数回程度行い、やり過ぎに注意する。
●かぜによる鼻症状の薬、主に市販薬でポイントになる成分は?
以下のような成分は、鼻症状への有効性が確認されています。市販薬を購入する際の参考にしてください。
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
ヒスタミンの働きを阻害する抗ヒスタミン作用により、くしゃみ、鼻水、かゆみ、腫れなどのアレルギー症状を緩和します。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/30/
・L-カルボシステイン
痰を切る成分。ピーク時のドロドロとした鼻水を緩和します。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/42/
・塩酸プソイドエフェドリン
交感神経を刺激することで鼻粘膜の血管を収縮させて、充血・腫れをとり、鼻づまりなどを改善します。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/35/
・グリチルリチン酸二カリウム
炎症を抑えて鼻の症状を緩和する成分です。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/16/
・ナファゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩
膨張した鼻粘膜の血管を収縮させる成分。つらい鼻づまりを緩和する点鼻薬の成分として使われます。
●主な症状
のどの痛み、イガイガ、飲み込むと痛い、声がかれるなどはいずれも、のどの炎症で起きるかぜの代表的な症状です。
●なぜのどが痛くなる?
のどの粘膜で炎症が起きるため。また、のどは飲食時に刺激を受けやすいため痛みを感じやすくなります。
●のど症状のセルフケア
・うがい…ウイルスを洗い流したり、のどの粘膜を潤したりするのに効果的です。炎症が強い場合は、うがい薬も活用しましょう。
・加湿…部屋の乾燥によるのどの痛みを防ぎます。
・常温や温かい飲み物で水分補給…のどを刺激する冷たい飲み物よりも、温かい飲み物や常温の飲み物を選ぶとよいでしょう。熱過ぎるのはNG。
・のどあめ…のどあめをなめることで唾液を分泌してのどを潤します。殺菌や保湿成分などが含まれた物もおすすめ。
・はちみつ…さじですくってなめる、飲み物に混ぜてもOK。1歳未満の赤ちゃんは乳児ボツリヌス症にかかることがあるため、摂取はできません。
・のどごしのよい食事…のどに負担をかけない刺激の少ないものを。
・禁煙…たばこに含まれるニコチンなどが、のどの粘膜に化学的な刺激を与え炎症を悪化させます。
●かぜによるのど症状の薬で、ポイントになる成分は?
・トラネキサム酸
のどの炎症や腫れを抑える市販薬の代表的な成分です。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/54/
・イブプロフェン
のどの激しい痛みや熱を鎮める効果があります。鎮痛作用と解熱作用をもつ非ステロイド性の抗炎症成(NSAIDs)です。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/41/
・セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)
殺菌・消毒成分で、のど飴やトローチ、スプレーに含まれています。のどの表面の細菌を殺菌します。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/36/
・アセトアミノフェン
脳の体温中枢や中枢神経に作用して熱を下げたり、痛みを緩和したりする成分。主に解熱鎮痛薬や総合感冒薬(かぜ薬)に配合されており、のどの痛みにも一定の効果があります。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/8/
・アズレンスルホン酸ナトリウム
抗炎症成分で、うがい薬やのどスプレーに含まれています。
●主な症状
鼻やのどの症状がなく、発熱、悪寒から始まるかぜもあります。いきなり高熱が出るのはインフルエンザなどに多い症状で、寒気、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが起こります。
●なぜ寒気が起こる?
体温を上昇させたほうが、ウイルスや病原菌と戦いやすくなるからです。ウイルスや病原体を察知すると、脳の「体温中枢」が調節して、体温を上げているのが「発熱」。つまり、必要があって体は発熱しているのです。
「発熱初期の寒気や震えは、体温中枢が設定した体温まで上昇させるために起こります」と森先生。熱が出たら慌ててすぐに冷やすのではなく、体温上昇の段階に合わせたケアが大切になります。
●セルフケア
・悪寒がある時は温め、暑くなったら熱を逃がす…寒気を感じ、手足が冷たい間は布団に入り、体を温めます。顔が赤くなって手足も温かくなり、寒気がなくなったら、熱が上がりきった証拠。そうなれば今度は室温や掛け布団などを調整して、熱がこもらないようにしましょう。
・水分補給…熱によって水分が奪われるため、脱水症状にならないように、こまめな水分補給が大切です。
・十分な睡眠…体力を回復させる睡眠は、かぜ対策の基本です。
●かぜによる発熱・寒気症状の薬で、ポイントになる成分は?
・アセトアミノフェン
脳の体温中枢や中枢神経に作用して熱を下げたり、痛みを緩和したりする成分。作用が穏やかで比較的安全性が高いのが特徴で、高齢者や小児も使用できます。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/8/
・エテンザミド
鎮痛作用と解熱作用をもつ非ステロイド性の消炎鎮痛成分。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/19/
・イブプロフェン
鎮痛作用と解熱作用をもつ非ステロイド性の抗炎症成分(NSAIDs)。解熱鎮痛薬(頭痛、生理痛、歯痛、関節痛など各種の痛み止め)や総合感冒薬(かぜ薬)などに広く使用されています。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/41/
・ロキソプロフェン
痛みや発熱の原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑えることで「鎮痛」「解熱」「抗炎症」の3つの作用を発揮します。妊婦や小児は使用できません。
・麻黄湯(まおうとう)
かぜやインフルエンザのひき始め(発症後1~2日以内)に高い効果を発揮する漢方薬。体を温めて発汗を促すことでかぜを治そうとする力を強化し、急な発熱や寒気などの症状を改善します。
<解熱鎮痛薬は使っていいの? いつ使うのがいいの?>
発熱やそれに伴うつらい症状が原因で「食事が摂れない」「うまく眠ることができない」など、苦痛が生じている場合には、「ためらわずに、解熱鎮痛薬を用いて緩和しましょう。解熱鎮痛薬を使ったからといって、かぜの治りが遅くなることはありません」(森先生)。
●主な症状
「コンコン」という乾いた空咳と、痰が絡む「ゴホゴホ」という咳があります。また、咳は夜に悪化しがちなのも特徴です。夜は副交感神経の働きが活発になり、交感神経の働きが活発な日中に比べて、咳が出やすくなります。
●なぜ咳が出る?
咳は気道を守る防御反応です。ウイルスが気道の奥の気管支まで入り込むと、炎症が気管支まで広がることもあります。さらには肺炎を引き起こすことも。
●セルフケア
・マスク…外出時はもちろん、乾燥する部屋や就寝時には、室内でもマスクや濡れマスクを着用するとよいでしょう。
・加湿…部屋が乾燥していると咳が出やすくなるので加湿しましょう。
・のどあめ…のどあめをなめることで唾液が分泌されてのどを潤すことができ、咳を防ぎます。
・寝る姿勢に気をつける…仰向けで寝ていて咳が出るようなら、横を向いたり上体を起こしたりして鼻水や痰がのどに流れるのを防ぎましょう。
・のどを潤し、首を温める…こまめに水分を摂りのどを乾燥させないようにしましょう。温かい飲み物なら、のどを潤すと共に気道が広がって呼吸が楽になります。ネックウォーマーなどで物理的に首周りを温めると気道が広がりやすくなります。
●かぜによる咳・痰症状の薬で、ポイントになる成分は?
・アンブロキソール塩酸塩
痰を出しやすくする成分。感冒薬(かぜ薬)や鎮咳去痰薬などに配合されています。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/39/
・ジヒドロコデインリン酸塩
脳の延髄にある咳中枢の興奮を抑えて、咳を鎮める鎮咳(咳止め)成分。鎮咳去痰薬や総合感冒薬(かぜ薬)に配合されています。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/40/
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
交感神経を刺激することで気管支を広げて呼吸を楽にし、咳を鎮める成分。総合感冒薬(かぜ薬)や鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬などを中心に広く使用されています。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/10/
・L-カルボシステイン
去痰成分で、痰を出しやすくします。鎮咳去痰薬(咳止め薬)や総合感冒薬(かぜ薬)に配合されています。
※この成分について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/ingredient/42/
<咳が長引く場合は他の病気の可能性も>
長引く咳は、ただのかぜではなく、下記のような、他の病気の可能性があります。
・咳ぜんそく
・肺炎・気管支炎
・百日咳
※大人の百日咳について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/column/33/
・マイコプラズマ肺炎
※マイコプラズマ肺炎について詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/disease/633/
かぜの症状は治まっても、咳だけが2週間以上長引く場合は、医療機関を受診しましょう。
ドラッグストアに行くと「総合感冒薬」の他、症状別のかぜ薬も多数販売されています。結局、何を選べばよいか、迷う人も多いのではないでしょうか。使い分けのポイントを森先生にうかがいました。
基本的に、「総合感冒薬」は複数の症状に対応できるかぜ薬。かぜの初期症状に向いています。一方、「のど」「鼻」「咳」「熱」など、気になる症状に応じて有効成分が配合されているのが症状別のかぜ薬です。
「総合感冒薬は幅広いかぜの症状に効くお薬で、症状別の市販薬を複数買うよりも手軽で割安です。熱や鼻水はないけれど、のどだけが痛いなど、特に気になる症状がある場合は、症状別のかぜ薬を選ぶのもよいでしょう」
なお、市販薬は重複服薬を避け、用法・用量を守って使用することが大切です。
※かぜ薬の用法・用量を守るために、指定濫用防止医薬品制度が導入されました。詳しくはこちら
https://www.taisho-kenko.com/column/178/
●すぐに受診したほうがよい症状
次のような症状が現れた場合は、合併症を疑いすぐに医療機関を受診しましょう。
・呼吸が苦しい
・意識に違和感がある
・水分が摂れない
・繰り返す下痢による脱水症状
・胸が痛い…肺炎の可能性があります
・高熱が1週間続く
・つばが飲み込めないほど強いのどの痛み(急性喉頭蓋[こうとうがい]炎などの場合もあります)
●早めに受診したほうがよい症状や人
下記のような症状があれば、「ただのかぜだろう」などと自己判断せず、医療機関の受診を検討しましょう。
・1週間経っても症状が改善しない
・2週間以上続く咳
・高齢者
・妊婦
・持病がある人
かぜの後に咳の症状だけが2週間以上続く場合は、一般的なかぜではない可能性が高いでしょう。ただのかぜだと思い、長引く咳を放置していると、咳ぜんそく、さらにはぜんそくを発症するケースもあります。病院で適切な診断を受け、早めに治療を開始することが大切です。
また、森先生は「ウイルスが原因のかぜには抗菌薬(抗生物質)は効かないことも、ぜひ知ってほしい」と話します。抗菌薬を処方してもらうほうが、かぜが早く治るというのは実は思い込みで、多くの場合は、「飲まなくても治る時期だっただけ」のようです。
「かぜやインフルエンザの流行を予想することは、医師や専門家でもできません。来るべき冬に備え、手洗い、うがい、マスク、湿度、睡眠というかぜ対策の基本をしっかり守って、日頃からかぜの予防に努めましょう」。