アルブミンアルブミン

この検査でわかること

アルブミンは血液に含まれるタンパク質の一種です。血液中には多数のタンパク質が含まれていますが、その中で最も多いのがアルブミンで、総タンパクの半分以上を占めています。

食事から摂ったタンパク質は、消化管でアミノ酸に分解された後に肝臓へ運ばれます。そして、肝臓でアルブミンに合成され、各臓器に運ばれていきます。肝臓の働きが悪いとアルブミンが合成されにくくなり、血液中のアルブミンが不足することに。また、腎臓に障害が起こると尿中にアルブミンが漏れ出し、血液中のアルブミンが低下します。このためアルブミンの数値は、栄養状態や肝臓・腎臓の健康状態を知る手がかりとなっています。

基準値

4.1〜5.1(単位:g/dL)
共用基準範囲による

基準値から外れた場合

タンパク質の摂取量が少ないなど栄養状態が悪いと、数値が低くなる可能性があります。しかし、この場合の数値の変化はわずか。数値が大きく減った場合には、肝臓や腎臓に障害が起きている可能性を疑います。

アルブミン値が基準値よりも低い場合に疑われる病気が、肝硬変などです。また、腎臓に障害があるとアルブミンが尿に漏れ出してしまうこともあり(ネフローゼ症候群)、これによって数値が下がることがあります。結核などの感染症によって体のどこかで慢性的に炎症が続いた場合も、アルブミンは低値になります。

アルブミンが異常な高値を示している場合は、脱水症が考えられます。

数値を改善するためのセルフケア

肝臓を守ろう

肝臓を健康に保つため、お酒の飲み過ぎには注意しましょう。過度なアルコール摂取は肝臓に負担をかけ、脂肪肝や肝硬変へとつながります。厚生労働省が示す基準では、適度な飲酒は1日平均純アルコールで20g程度とされています。20gとはおよそ、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合程度が目安です。また一般に、女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いため臓器障害を起こしやすいとされており、飲酒量は男性の1/2~2/3程度が適量です。

タンパク質不足にならないようしっかり摂取

食事でタンパク質をしっかり摂ることも大切です。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、1日に必要なタンパク質の推奨量は、18〜64歳の男性が65g、女性で50gとされています。ちなみに、牛もも肉100gを食べて摂取できるタンパク質量は21.2g、イワシ丸干し100gでは32.8g、納豆100gでは16.5gですから、推奨量に達するためには、意識して摂る必要があります。タンパク質の消化・吸収は体に負担がかかるため、一度に大量のタンパク質を摂るのではなく、1日3回の食事で分けて摂るのがおすすめ。毎食のメニューには必ず肉や魚、卵、大豆などのタンパク質を入れるようにするとよいでしょう。

アルブミンの数値が大きく変化した場合は、必ず医師の診断を受けてください。肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、症状が出てからでは対処が難しい場合が多いです。腎臓への配慮も必要。腎機能が低下している場合には、タンパク質の摂り過ぎもNG。医師や管理栄養士に適量をたずねてみましょう。