眼低眼低

この検査でわかること

眼底とは、瞳孔から光を当てて眼球の奥を覗いた時に見える網膜の一部のことです。網膜には血管や視神経などが走っており、人体の中で外から直接、血管や神経を観察できる唯一の場所です。健診では“眼底カメラ”と呼ばれる専用のカメラで撮影した眼底写真で判定することが多く、主に血管、視神経、網膜の状態を知ることができます。そのため、目の病気だけでなく、高血圧や糖尿病などによる全身の血管障害の状況を確認することができます。

眼底検査では、眼底を見るために強い光を目の中に照射します。そのため、まぶしさを感じ、目がくらんだような状態になることもありますが、すぐに回復することがほとんどです。精密検査の場合には、散瞳剤という瞳孔を開かせる薬を用いることがあり、見づらい状態が数時間持続することも考えられます。そのため、検査を受けた後は車、バイク、自転車などの運転は避けたほうがよいでしょう。

基準値

異常なし

基準値から外れた場合

眼底検査は、眼底の血管や網膜に異常や病変がないことを基準とします。基準値外、つまり眼底の血管や網膜に異常や病変が見られる場合は、その度合いを確認し、精密検査や治療の必要があるのか、それとも経過観察でよいのかを診断します。

血管では動脈硬化や高血圧による変化の有無と度合いを確認します。動脈硬化は軽度であれば問題なしと診断されることがありますが、硬化が進み、血管の色や輝き、走行状態に変化が出ている場合は経過を観察します。動脈硬化の所見が進行している場合は、脳や心臓など、全身の血管病変が進んでいることが心配されます。

その他、視神経の状態を確認することで、緑内障が見つかることがあります。眼圧は高くない人でも視神経の所見での緑内障の発見が増えており、精密検査で確認することが大切です。

数値を改善するためのセルフケア

健康的な生活を送り、年に一度は眼底検査を

眼底検査の結果を改善するには、関連する病気の予防や改善が重要となります。たとえば、糖尿病は網膜の細い血管に障害が起きやすく、血管が詰まったり、出血したりします。点状出血では自覚症状がないのですが、この段階で糖尿病の管理をしっかりと行い、進行を食い止めることが大切です。進行すると大きな出血を起こしたり、網膜剥離になり視力を失ったりすることになります。早期に発見すればレーザーでの治療や手術も可能なため、糖尿病の人は、少なくとも年に一度は眼底検査を受けることが大切です。

このように、生活習慣病のある人は眼底検査を年に一度は必ず受け、基礎疾患の治療をしっかりと行いましょう。また、有酸素運動の習慣化、適切な体重の維持、禁煙など、健康的な生活習慣を維持することも大切です。