眼圧眼圧

この検査でわかること

眼圧とは眼球内部の圧力のことです。眼球は内部に房水(ぼうすい)という水分を含んでいます。房水は角膜や水晶体といった、血管がなく、血液から栄養をもらうことができない組織に栄養を与える役割をもった液体です。房水が眼球内を流れることで眼圧は一定に保たれ、眼球は水風船のように丸い形状を保つことができています。

眼圧が低いと眼球の形が保てなくなり、逆に高いと眼球がパンパンになって視神経に障害を与え、緑内障の原因となります。そこで眼圧を調べて、適正な範囲内に保たれているかどうかを確認する必要があります。

眼圧を調べる方法は大きく2つあります。1つは眼球に風を当てて表面を一時的にへこませ、元に戻るまでの時間から眼圧を測る方法です(眼圧が高い場合は短時間ですぐ元通りになりますが、眼圧が低い場合は、元に戻るのに少し時間がかかります)。もう1つは角膜に直接接触して測る方法です。

基準値

20以下(単位:㎜Hg)
日本眼科学会による

基準値から外れた場合

眼圧検査の結果は日によって、また1日の中でも変動しやすいという特徴があります。従って基準値を外れた場合でも、日にちや時間帯を変えて再検査をすることが少なくありません。再検査の結果、問題なしと診断されることもあります。

眼圧が基準値よりも高い場合は緑内障の可能性が考えられます。緑内障は、目と脳をつなぐ視神経がダメージを受け、視野に障害が現れる病気です。ただ、眼圧が基準値内でも緑内障になるケースもあり(正常眼圧緑内障)、眼底検査で緑内障が発見されることもあります。

数値を改善するためのセルフケア

生活習慣病の予防は、目の健康に役立つ

眼圧の高さには肥満や高血圧が影響しています。そのため、生活習慣病の予防は目の健康にも役立ちます。肥満や高血圧に該当する人はまず、減量から取り組みましょう。減量には運動の実践と食事の改善が必要ですが、いきなり強度の高い運動を行ったり、食事の量を半分に減らしたりすると、継続が難しい上に反動が出てしまうこともあります。まずは15~20分程度の軽い運動を続ける、食事の量は腹八分に抑えることなどから行っていきましょう。食事では栄養バランスを整えることも大切です。麺類や丼ものだけでなく、主菜・副菜・主食がそろった定食メニューを選ぶようにするとよいでしょう。

緑内障の治療は早めに

眼圧が高いと指摘された場合には、まずは眼科を受診し、検査や診断を受けた上で、必要に応じて緑内障の治療を行いましょう。緑内障の治療はまず、点眼薬(目薬)によって眼圧を下げることから始める場合が多いです。眼圧を下げる目薬には多くの種類があり、どれが合うかは一人ひとり異なります。合う目薬を適切に使い、改善を目指しましょう。