尿蛋白尿蛋白

この検査でわかること

血液に含まれている蛋白のうち、分子量の小さいものは腎臓の糸球体でろ過されますが、通常、分子量の大きい蛋白はろ過されません。また、いったんろ過されたとしても、尿細管で必要な成分は再吸収され、最終的には不要な成分のみが尿中に排泄される仕組みになっています。しかし、腎臓や尿路に異常があると、アルブミンのような分子量が比較的大きい蛋白が漏れ出たり、尿細管での再吸収が追いつかずに尿中に排泄されたりすることがあります。

尿蛋白の検査は、尿に過剰な蛋白が出ていないかを調べるもので、腎臓や尿路系の疾患や糖尿病などによる腎障害の早期発見に有効です。尿に試験紙を入れて色の変化を調べる定性検査と、尿蛋白の量を調べる定量検査があり、定性検査で陽性の場合に、必要に応じて定量検査で再検査を行います。

基準値

定性:陰性(-)
定量:0.15未満       
(単位:pg)
共用基準範囲による
定性:陰性(-)定量:0.15未満 (単位:pg)
共用基準範囲による

基準値から外れた場合

尿蛋白が陽性の場合は、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症といった腎障害、尿路感染症などが疑われます。腎障害の特徴として、症状が現れた時には病状がかなり進行しているケースが多く、尿蛋白が(+)の段階でもかなり進行した腎障害であることがあります。健康診断で早期に発見することが大切です。

ただし、激しい運動後や肉などを過剰に摂取した後、高熱を伴うかぜ、女性の場合は月経中など、一過性に尿蛋白が陽性になることもあります。このような場合には、必ず状況のよい時に再検査を行うことが大切です。

数値を改善するためのセルフケア

塩分の摂り過ぎを見直そう

腎臓を守るために、まず塩分の摂り過ぎを見直しましょう。1日の塩分摂取量は6g未満が目安です。減塩料理というと制限が多い印象かもしれませんが、塩分に代わる味付けとして、だしや酢、スパイスなどでうま味や酸味、辛味をプラスすると、減塩料理の味の薄さをカバーすることができます。

タンパク質の摂り過ぎにも注意

腎機能が低下し始めたら、タンパク質の摂取量を見直すことも大切です。タンパク質に含まれる窒素を尿中に排出するのが腎臓の役目ですが、タンパク質を摂り過ぎるとオーバーワークになります。1日に必要なタンパク質の推奨量は、18〜64歳の男性が65g、女性で50gです。自分がどれくらい摂っているのか、栄養相談を受けてみるとよいでしょう。プロテインなどのサプリメントは避けるべきです。

激し過ぎない有酸素運動を習慣に

運動は血圧や血糖を改善する効果が大きく、ウォーキングなどの有酸素運動を積極的に行うことが推奨されます。ただし、激しい運動(無酸素運動)や脱水が起こりやすい運動は腎臓に負担がかかるため控える必要があります。尿蛋白が陽性の場合には、どの程度の運動が適しているかを、医師に相談してください。