γ-GTP(γ-GT)γ-GTP(γ-GT)

この検査でわかること

γ-GTP(ガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝臓や腎臓、膵臓などの細胞に存在する酵素で、肝臓でタンパク質を分解し、アミノ酸をつくり出す働きがあります。また、肝臓の重要な働きの1つである解毒作用にも深くかかわっています。

肝臓や胆管が障害を受けて細胞が破壊されると、γ-GTPが血液に漏れ出して数値が上がってきます。つまり、γ-GTPによって私たちは肝臓や胆管の働きに異常があるかを知ることができるのです。各種薬剤やサプリメント服用によっても上昇することがありますが、多くの場合は飲酒や脂肪肝が原因となっています。

基準値

男性13〜64
女性
9〜32
(単位:U/L)
共用基準範囲による
男性13〜64、女性9〜32(単位:U/L)
共用基準範囲による

基準値から外れた場合

γ-GTPはアルコールの影響を受けやすいのが特徴です。飲酒によってγ-GTPの数値は上昇しますが、健康な人であればすぐに元の数値に戻ります。しかし、数値が上昇した状態が続く場合は、過度のアルコールが引き金となる肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変、肝がんなどの可能性があります。

もし、あまり飲酒をしていないのに数値が高い場合には、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝や、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が疑われます。

胆管結石や胆道系のがんなど胆道に異常がある場合、もしくは薬剤性肝障害、サプリメントでも数値は上昇することがあります。

数値を改善するためのセルフケア

節酒・禁酒して肝臓を休ませよう

γ-GTPの上昇は、過度な飲酒によって引き起こされることがほとんどです。γ-GTPの値が100U/Lを超える場合には、原因をしっかりと調べてもらうことが大切です。それ以下の場合には、節酒あるいは一定期間の禁酒により数値の改善が期待できます。

まずは、お酒を一切飲まない休肝日を週に2日設け、肝臓を休ませてあげましょう。思い切って2週間程度禁酒してみるのもおすすめです。一定期間飲まないでいると、お酒を分解する酵素が減少するため、飲酒量を減らすことに成功できる人もいます。飲み過ぎが習慣化していた人は、お酒との付き合い方をリセットするためにも、禁酒の期間を設けてみてはいかがでしょう。

アルコール依存症の可能性も考える

お酒を止めたいのに止められない、お酒が原因で人に迷惑をかけることが度々あるなど、お酒が原因で不都合なことが起きている場合には、アルコール依存症の可能性があります。アルコール依存症は早期には自覚が難しいため、「AUDIT(オーディット)」というスクリーニングテストを試してみるとよいでしょう。アルコール依存症になると、節酒ではなく断酒をしなければなりません。自分や周囲の人にアルコール依存症が疑われた場合は、必ず専門病院を受診しましょう。地域の保健所などでも相談を受け付けています。